浜田省吾ソロデビュー50周年を記念して現在進行中の『SHOGO HAMADA 50th Anniversary Vinyl Collection』。10月21日リリースの4作品より、映像作品『ROAD OUT “MOVIE”』のサウンドトラックというコンセプトで制作された『ROAD OUT “TRACKS”』について触れていく。
本作を紹介するにあたり、学生時代から浜田省吾とともに歩み、現在は浜田の所属事務所である株式会社ロードアンドスカイの代表取締役をつとめる高橋信彦氏、デビュー当時からオフィシャルライターとして、そして音楽評論家として浜田の歩みを追い続けてきた田家秀樹氏、浜田のアルバムジャケット・写真撮影など、ほぼ一手に彼のアートワークを手掛けるアートディレクター兼デザイナー田島照久氏の3名にそれぞれの視点から語ってもらった。
■映像作品『ROAD OUT “MOVIE”』のサウンドトラックというコンセプトで制作
1996年にリリースされた『ROAD OUT “TRACKS”』は、ライブ音源とアメリカン・ポップスのカバーを融合させた特異な名盤であり、アナログ化によってその有機的な質感が劇的に際立つ作品となった。
起点は、『ROAD OUT』(1995年/幻冬舎刊)という浜田が田島照久氏と作り上げた一冊の写真集。
そのなかで浜田が書いた“ROAD OUT”というタイトルの小説をモチーフに作られた映像作品が『ROAD OUT “MOVIE”』で、そのサウンドトラックというコンセプトで制作されたコンピレーションがこの作品だ。
「写真集の撮影のためにアメリカへ向かい、ニューメキシコ州のホワイトサンズやジョージア州のカンバー島、ちょうど公開になった映画『フォレスト・ガンプ』の舞台になった南部の街・サヴァナを訪れたことも思い出深いです。2週間の撮影で1万カットは撮ったはず。デジタルカメラもなく、フィルムの現像が終わるまで良い写真が撮れたかどうかもわからない。その不安を抱えたまま、旅は続きました(笑)」(田島)。
■幼い頃からアメリカ音楽に親しんだ音楽的ルーツが自然に立ち現れている
収録音源は、フルステージをそのまま記録したものではなく、一曲ごとの聴かせどころや曲間の息遣いが綿密に編集されている。その結果、アルバム全体が一本の上質なロードムービーのように心地よく流れていく。
田家秀樹氏は、本作の持つライブ盤としての特異性と魅力についてこう語った。
「この作品を改めて聴き直して、想像以上に凄まじいライブ盤であることに驚かされた。演奏のハイライトと曲間が巧みに編集されているので、まさにロードムービーが流れていくように聴かせてくれる。浜田さんの若い歌い切り方や語尾のフェイク、青臭さが、ロマンティックな楽曲のロマンチシズムを際立たせているんです」(田家)。
バンドの荒々しくも情熱的な演奏は瑞々しい隙間を生み、浜田の歌と交差し生まれる生々しい情感はどこまでも熱い。
スティーヴィー・ワンダー、ファイヴ・サテンズ、シャンテルズのカバーとオリジナル曲のリメイクバージョンがなんの遜色もなく並んでいる。幼い頃からラジオでアメリカの音楽を浴び、深く吸収し育った、ソングライター浜田省吾の音楽的ルーツが自然に立ち現れている。この作品は当時44歳だった浜田の音楽的自伝という捉え方もできるのではないだろうか。
■「アナログレコードのサイズになってこそ、本来の広がりと情緒が生きるジャケット写真」(田島)
本作のジャケットを飾る、浜辺のボードウォークに佇む浜田の姿を捉えた写真は、本人も「お気に入りランク最上位の一枚」と言い、高橋信彦氏も「僕も含めて周りのスタッフも大のお気に入り」と絶賛している。
ジャケット写真は、ジョージア州沖のカンバーランド島で撮影された。静かで奥行きのある夕景、それがこの一枚の骨格になっている。
「西海岸のように太陽が海に沈むのではなく、大西洋側の東海岸は背後の陸地に日が沈む。日没後も空に光が残り続けるマジックアワー特有の、静かでしっとりとした空気が撮れた。この写真はアナログレコードの30センチ四方のサイズになってこそ、本来の広がりと情緒が生きています」(田島)。
今回のアナログ化に際し、田島氏は「写真集を持っていない方も多いと思うので頑張って通常8ページのところを未公開ショットを含む12ページの大型ブックレットに再構成しました」と語った。
旅の空気感を封じ込めたアートワークと、若き日の熱情が刻まれた演奏と歌。
初アナログ化となった今回、針を落とすと太い低音が心の深いところまで響いてきて、アメリカの荒野とステージの埃っぽい熱気が部屋いっぱいに広がるだろう。
TEXT BY 田中久勝
浜田省吾ソロデビュー50周年記念
「SHOGO HAMADA 50th Anniversary Vinyl Collection」特設サイト
https://shogohamada.lnk.to/50thAnniversaryVinylCollection
■『ROAD OUT “TRACKS”』作品情報
2026.10.21 ON SALE
ANALOG LP『ROAD OUT “TRACKS”』
https://hamadashougo.lnk.to/ROAD_OUT_TRACKS_Vinyl
※2021年版リマスター音源を収録
[収録曲]
Side A
1. A PLACE IN THE SUN
2. 夏の終り
3. 今夜こそ
4. ベイ・ブリッジ・セレナーデ
Side B
1. 悲しみは雪のように
2. ラストショー
3. 少年の心
Side C
1. いつか もうすぐ
2. IN THE STILL OF THE NIGHT~MAYBE
3. MAINSTREET
4. J.BOY
Side D
1. 最後のキス
2. サイドシートの影
3. 我が心のマリア
■リリース情報
2026.10.21 ON SALE
ANALOG LP『Before the Stream』
https://hamadashougo.lnk.to/Before_the_Stream
2026.10.21 ON SALE
ANALOG LP『ON THE ROAD』
https://hamadashougo.lnk.to/ON_THE_ROAD_Vinyl

- COLUMN
- ライブアルバム『ON THE ROAD』は浜田省吾が歩んできた“道”そのもの。スタジオの壁を蹴るほど苦悩しながらも強い柱となる新曲を組み込んだ傑作【浜田省吾ソロデビュー50周年特別企画】
2026.10.21 ON SALE
ANALOG LP『初夏の頃』
https://hamadashougo.lnk.to/In_Early_Summer_Vinyl
■映画情報
『ON THE ROAD 1988』
2027年1月より全国映画館にてロードショー
配給:ライブ・ビューイング・ジャパン
©2027 Road & Sky
■関連リンク
浜田省吾 OFFICIAL SITE
https://shogo.r-s.co.jp/
https://www.sonymusic.co.jp/artist/ShogoHamada/info/
楽曲リンク:浜田省吾
https://smer.lnk.to/shogohamada
▼浜田省吾50周年特集記事はこちら
https://www.thefirsttimes.jp/keywords/15254/
▼浜田省吾の最新記事はこちら
https://www.thefirsttimes.jp/keywords/1776/



