THE F1RST TIMES

COLUMN

2021.07.29

ジャスティンとのコラボで話題の“ザ・キッド・ラロイ”17歳に魅せられるワケ

TEXT BY 渡辺志保

今、知っておきたい“ザ・キッド・ラロイ”とは?

ジャスティン・ビーバーやマイリー・サイラスといった、ここ10年間のポップスシーンを牽引してきたビッグアーティストたちとこぞってコラボしているのが、オーストラリア出身の新星、ザ・キッド・ラロイだ。

ヒップホップとエモーショナルさを混在させた独特の音楽的感性の鋭さは随一で、早くも大きな可能性を感じさせる存在となっている。

『F*CK LOVE 3+ : OVER YOU』

両親の離婚から家族揃ってホームレスに…壮絶な幼少期

ラロイは2003年8月17日生まれ。幼少期に両親が離婚し、母親に引き取られたラロイ。生活は順調ではなく、家族揃ってホームレスとなり、母親はドラッグを売って生計を立てていたこともあるそう。

そんな母親が好んで聴いていたのが、2パックやフージーズといったラップミュージックだった。

10代になると、徐々に楽曲制作を始めていったラロイは、2018年に初のEP『14 WITH A DREAM. 』を発表し、ネット上で急速にその名を広めていく。

ラロイの音楽人生を大きく動かす、ジュース・ワールドとの出会い

オーストラリアの若き才能に最初に目をつけたのは、あのジュース・ワールドを発掘し、ブレイクへと導いたリル・ビビーとG・マネーのふたり。2019年の1月には、ジュース・ワールドのツアーにてフロントアクトの座を射止め、その数ヵ月後には弱冠15歳にしてメジャーディールを獲得したのだった。

本格的にアーティストとしての道が拓けていったラロイにとって、もっとも重要だったのがジュース・ワールドの存在だ。

ラロイはジュースのことをメンターとして慕い、ツアー中もよくホテルの部屋で遊んだりレコーディングを行っていたりして過ごしていたという。

「GO」はジュース・ワールドと共作した楽曲であり、MVにはホテルの部屋で“20万ドル相当のプレゼントを贈るよ”と、ラロイの16歳の誕生日を祝うジュースとのレコーディング風景がフィーチャーされている。

しかし、音楽的にも精神的にもラロイのインスピレーションとなったジュースは、2019年12月に21歳の若さでこの世を去り、ラロイにとって大きな衝撃と悲しみを与えた出来事となった。

マイリー・サイラス、ジャスティン・ビーバーとコラボ。快進撃を続ける、ラロイ

しかしながら、その逆境を跳ね除けるように、さらにラロイは飛躍していく。

2020年7月には、待望のデビューミックステープとなる『F*CK LOVE』を発表。同年11月にリパックアルバムとして再販した『F*CK LOVE (SAVAGE)』が、2021年2月にオーストラリアチャートで1位を獲得。これはNo.1を獲った男性ソロアーティストとしてはオーストラリア史上最年少記録を樹立。

ここからラロイの活躍っぷりはさらにワールドワイドなものへ。

4月、なんとマイリー・サイラスが参加した「WITHOUT YOU」のリミックス版でリスナーを驚かせると、6月頭にはジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデが所属するスクーター・ブラウンのマネジメントと契約を発表。

TOMORROW X TOGETHER(同じ系列のマネジメント所属)がコラボレーションの可能性を示唆するようなツイートを投稿したことでも話題を集めている。

さらに、先日MVとともに突如発表されたのが、ジャスティン・ビーバーをゲストに迎えた新曲「STAY」だ。

アップテンポなビートとエモーショナルなボーカルが融合し、ラロイのあらたな魅力を引き出した「STAY」は、リリース直後からストリーミングサービスを中心に火がつき、世界中の各種チャートを総ナメにしている。

ちなみに、ジャスティンとのコラボはこれで2度目。今年3月に発表された、ジャスティンの最新アルバム『JUSTICE』収録曲の「Unstable」にラロイが参加しており、ふたりの音楽的センスがバッチリ一致することを続けて証明して見せた。

潮流に乗りながら、自身のスタイルを築いていく、ラロイの柔軟さ

…と、わずか数年でスターへの階段をガッツリと登り続けているのがザ・キッド・ラロイである。

リル・ピープやXXXテンタシオンらが火つけ役となり、2017年頃から存在感を増していったSoundCloud系ラップ、そしてエモラップと呼ばれる潮流や、ポスト・マローンらが実践してきたポップスやロックとヒップホップの融合、ジュース・ワールドが実践してきた刹那的なリリックと悲哀を感じさせるボーカル…そうした新時代のヒップホップスタイルをさらに柔軟に昇華したのが、ラロイのスタイルだ。

安定感がありつつもみずみずしいボーカルと表現力は、すでにロックスターとでも呼びたくなるかのような風格でもある。

ジュース・ワールドの遺志を継ぎつつ、あらたなレベルへと進みゆくラロイ。これまでとは違うやり方で、Z世代のスターへの道のりを示してくれるはずだ。


リリース情報

2021.07.27 ON SALE
ALBUM『F*CK LOVE 3+ : OVER YOU』


ザ・キッド・ラロイ OFFICIAL SITE
https://www.sonymusic.co.jp/artist/thekidlaroi/