THE F1RST TIMES

COLUMN

2021.10.21

森七菜が友人のために流した、優しい涙。『RING³』で触れた、彼女の素顔

TEXT BY 永堀アツオ

■“自分とは違う誰か”から“ありのままの自分”へ

チャンネル登録者510万人を超える「THE FIRST TAKE」が手がける、あらたな音楽体験プラットフォーム「THE FIRST TIMES」(ザ・ファースト・タイムズ)からYouTube雑談コンテンツ『RING³』(リン・リン・リン)が始動。

記念すべき第1回に森七菜が登場した。

小学生時代を大阪で過ごし、中学入学と同時に大分へ引っ越し、15歳で女優デビュー。高校進学後は、大分と東京を行き来する生活となった森七菜。

女優である彼女は、当たり前のことだが、いつも“自分とは違う誰か”を演じていた。

スクリーンの向こうから伝わってくるのは、イノセントでナイーブ、少し不器用で頑固な少女の姿。実際の彼女の等身大の素顔は知る由もない。しかし、音楽を通して、少しずつではあるが、素の彼女が垣間見えるようになってきた。

彼女の歌声を初めて聴いたのは、ヒロイン役で出演した新海誠監督のアニメーション映画『天気の子』(2019年)のCMだった。

その際は、1フレーズだけだったが、翌年には自身が出演した映画『ラストレター』(2020年)の主題歌「カエルノウタ」で歌手デビュー。

岩井俊二監督が作詞し、劇伴を担当した小林武史が作曲した楽曲で清く透徹した癒しの歌声を響かせたが、彼女自身は映画全体を俯瞰で見渡すストーリーテラーの立ち位置で歌っている。

他にも与えられた役柄の中で“自分を表現する”という芝居の一環で歌うことはあったが、CMソングとして元気溌剌に歌唱したホフディランの「スマイル」のカバーでは、聴き手に元気や明るさや笑顔を届けたいという彼女自身のまっすぐな想いが込められていたように思う。

さらに今年8月20日に配信された「深海」で、彼女自身ファンと公言するYOASOBIのコンポーザーとしても活動するAyaseが楽曲を手がけ、初めて森七菜自身の思いが入った曲となった。

リリース当時「役を通して伝えることとは違って、自分自身を伝えることはちょっと恥ずかしい」と語っていたが、同曲は“どこにも行き場のない寂しさをテーマに、会えない君のことを思う”という、いわば手紙のようなメッセージを歌っている。

■思わず関西弁に戻る、懐かしい友人とのひと時

そんな彼女が想像した“君”がサプライズで登場したのが、“ゆかりのある人物との電話”を映像に収めたYouTubeコンテンツ『RING³』であった。

電話の相手が大阪時代の友人だとわかった瞬間、突然「すごいやんか! どこにおるん!?」と関西弁に戻り、今よりも活発だったという小学生の頃の昔話で盛り上がる。

やがて、話題はそれぞれに違う環境で暮らすようになった“今”へ。

ものすごく人見知りだという友人は、現在誰も知り合いのいない看護学校に通っており、苦労することも多いという。ただ、そんな時ふと街中で森七菜のポスターやCMなどを見かけると、その活躍ぶりに勇気づけられ“七菜に会いに行く”と思いながら登校するのだそうだ。

また、「『スマイル』聴いて頑張った」と感謝の気持ちを伝えると、森七菜の目からは無垢で透き通った大粒の涙が流れた。

さらに、「深海」の話になり、森が「遠くにいる誰かを思う曲」と伝えると、転校で離れ離れになった際にも「『同じ空の下におるから大丈夫やで』って中学生の時にも言ってた。その時を思い出して聴いてた」というエピソードを明かしてくれた。

あなたを思う、私の歌であった「深海」。

“君は覚えていますか/あの日々を/共に過ごした風景を”と歌った彼女の思いがしっかりと相手に届いていたと実感した瞬間を本人と共に体験できたのも感慨深い。

友人といる時はこんなふうに話し、こんなにも笑い転げるのかと、彼女の“素”をたくさん知ることができた『RING³』。

この企画ではひと足先に彼女の“素”と近づけたわけだが、どこにでもいる、友人思いな優しい森七菜の、この純真無垢な思いや言葉が今後の音楽活動にどう表れてくるのかも楽しみである。


森七菜 OFFICIAL MUSIC SITE
https://www.morinanamusic.com/

「THE FIRST TIMES」OFFICIAL YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCmm95wqa5BDKdpiXHUL1W6Q