THE F1RST TIMES

COLUMN

2021.11.05

早耳音楽ファンが注目! TikTok CM抜擢のidom、楽曲「Freedom」で見せた新時代のセンス

TEXT BY 森 朋之

■音楽制作をはじめてわずか1年(!)という超新星

10月23日にTikTokのWEB CM「Spice Up Ordinary Life篇」が公開された。バスケ、ボクシング、スケートボードなどのスポーツを楽しむ人々と、日々のなにげないシーンをつなげた映像が印象的なこのCMで使用されている楽曲「Freedom」が、早耳の音楽ファンの間で徐々に注目度を高めている。この曲を手がけたのは、idom。音楽制作をはじめてわずか1年(!)という超新星だ。

兵庫県神戸市生まれ、岡山県在住、現在23歳のidom。大学でデザインを専攻し、昨年4月からイタリアのデザイナー事務所に籍を置く予定だったが、コロナウィルス感染拡大の影響で渡伊を断念。ステイホーム期間中に、以前から興味を持っていたという楽曲制作に取り組み、音楽活動をスタートさせた。

2020年4月24日に最初の楽曲「neoki」を発表。シンプルながら中毒性のあるトラック、英語と日本語を交えたリリック、心地よいフロウとキャッチーな旋律を併せ持ったボーカルなど、とても初心者とは思えないクオリティだ。(おそらく)地元・岡山で撮影されたMVの制作も自らの手で行っている。

その後も、バウンシーなビートとメロウなラップ、“きっと変わらないオレら2人”というラインが共鳴する「soap.」(2020/7/4)、idomの友人であるyerraがトラックメイクを手がけたドープかつシリアスな雰囲気のミディアムチューン「DOLL」(2020/12/04)、大切な友人に向けた“何も見えなくても君を感じてる 側にいるんだよね?”というラインが響く「二人」(2021/4/11)などを次々と発表。作品を重ねるごとにトラックメイク、メロディの質、歌詞の深み、MVの解像度を上げていき、アーティストとしての基盤を作り上げていった。

idomの存在が広く知られるようになったきっかけは、今年7月にリリースされた「Awake」だった。壮大なスケールを感じさせるシンセ、ソウルフルなコーラスから始まるこの曲は、起伏に富んだストーリーを描き出すメロディ、英語詞によるラップ/ボーカル、精神的な目覚めをテーマにした歌詞など、すべての要素において、彼の音楽性が大きく進化したことを告げていた。“ソニー Xperia 1 III CMタイアップソング”に起用されたこともあり、YouTubeにおけるMVの再生回数は20万を突破。「普通に大ヒット洋画の主題歌くらいのレベルなんだが、、、」「新しい時代のはじまりやジェンダーレスな世界観が溢れてる」といったコメントからも、idomへの注目度と評価の高さを実感してもらえるはずだ。

■既存の枠から完全に解放されているように見える

10月29日にリリースされた新曲「Freedom」は、疾走感のある4つ打ちビートとシンセベースを軸にしたダンストラック。心地よいスピード感に貫かれた旋律、生々しい感情に溢れたボーカルなど、もはや堂々たる風格さえ感じてしまう楽曲だ。

“この一瞬を謳歌”“解き放って解き放って”といった言葉が散りばめられた歌詞も鮮烈。個人的にもっとも印象的だったのは、“好きなこと好きなだけやるエイリアン”“まだ見たことのない/『新しい世界』俺は君と見たい”というラインだ。いわゆるZ世代でもあるidomは、価値観、人生観、そして音楽観に至るまで、既存の枠から完全に解放されているように見える。「Freedom」に込められたメッセージ、そして、仲間たちと自由に踊り、楽しむ姿をシューティングしたMVからは、閉鎖感を打ち破り、新しい時代へ突き進むidomの姿勢が明確に映し出されている。

現在進行形のグローバルポップと同期しながら(彼のYouTubeチャンネルにはデュア・リパ、ジャスティン・ビーバーなどのカバー曲も公開されている)、オルタナR&B、エレクトロポップなどを自在に融合させ、優れたポップネスと凛としたメッセージを同時に打ち出すidom。現時点ではまだベールに包まれているが、今年後半から来年にかけ、その存在は様々なメディアでクローズアップされることになるはずだ。


リリース情報

2021.10.29 ON SALE
SINGLE「Freedom」


Idom Twitter
https://twitter.com/baedongk