THE F1RST TIMES

COLUMN

2021.12.10

マカロニえんぴつ、Saucy Dog…一瞬の感情を鋭く切り取る、この時代ならではのヒット曲

TEXT BY レジー(音楽ブロガー/ライター)

BE:FIRST「Gifted.」が1位を獲得し、そこに続くINI、超特急と合わせてボーイズグループがトップ3を独占したLINE MUSICの11月度ランキング。

熱心なファンダムをバックに持つグループが覇権を競い合うこのプラットフォームらしい結果となりましたが、そんなチャートの中での気になる動きを上位30曲の中からピックアップしてお届けしたいと思います。

■大橋ちっぽけ、優里、鈴木鈴木:男性シンガーも元気

今月30位以内にあらたに登場した面々の中で注目したいのが大橋ちっぽけの「常緑」。

10月にリリースされたアルバム『you』の収録曲がTikTokでも話題を呼び、一躍人気アーティストの仲間入りを果たしました。

2018年のメジャーデビュー以来、様々な音楽性を咀嚼しながらしっかりした歌心をベースにポップな音楽を作り上げる手腕が注目を集めてきた大橋ちっぽけですが、「常緑」はそんな彼の明るい側面がフォーカスされた一曲。

インタビューではこのヒットについて「自分の一面だけが広がっていく感覚がある」という複雑な感情も吐露していましたが、「常緑」によって大橋ちっぽけのこれまでの楽曲がより広がる流れができるといいなと思います。

とは言うものの、単曲での偶発的なヒットが主流となり“最初のバズ以降も継続的に聴かれる存在になる”ことがより難しくなっている最近の音楽シーン。

そんな状況において存在感を放っているのが、今年最大のヒットともいえる「ドライフラワー」だけでなく「ベテルギウス」「シャッター」の2曲を30位圏内に送り込んでいる優里。

若年層に響くシンプルなラブソングを基調にした楽曲が中心ではありますが、ちょっとブルージーな雰囲気もある歌声には現状のファン層とは異なる世代にも訴求できる魅力があるのではないでしょうか。

ちなみに、優里のYouTubeチャンネルには先ほど紹介した大橋ちっぽけ「常緑」の弾き語りカバーもアップされています。カラフルなアレンジの原曲とはまた違う解釈もなかなかよいです。

大橋ちっぽけや優里のようなソロのシンガーと並んで23位にランクインしているのが鈴木鈴木の「ホワイトキス」。

十夢と聖七からなる兄弟ユニットによるこの曲は、最近では珍しくなったような気がするストレートなクリスマスソング。その世界観や情感のこもったハーモニーが、“エモさ”みたいなものが重視される今のSNSの雰囲気にはまっています。

■マカロニえんぴつ、Saucy Dog:時代を乗りこなすロックバンド

“シンプルなラブソング”“エモさ”といった言葉を先ほど使いましたが、短尺の映像で構成されるTikTokとの相性がヒットの条件として重要になっている昨今において、“わかりやすく切ない、泣ける”という要素が今まで以上に求められるものになっているようです。

この傾向には“似たような曲が増えてチャートが単調になる”というリスクがある一いっぽうで、一瞬の感情を鋭く切り取った強い楽曲が生まれるやすくなるというポジティブな一面もあります。

そんな“この時代ならではのヒット曲”として名前を挙げられそうなのが、マカロニえんぴつの「なんでもないよ、」(5位)とSaucy Dogの「シンデレラボーイ」(20位)の2曲です。

パートナーへの思いを“ただ僕より先に死なないでほしい”というラインに込めた「なんでもないよ、」と、逆にパートナーに対する怒りとあきらめとそれでも残る情愛を“死んで”という言葉で表現した「シンデレラボーイ」。

前者はモダンなビートアプローチによって、また後者は余計なものを加えないバンドアレンジで、歌詞が体現するストレートな“エモさ”を加速させています。どちらの曲も、ラブソングという表現にもまだまだ拡張の余地があることを示してくれる素晴らしい出来栄えです。

コロナ禍以降、ライブやフェスに向かい風が吹く中でロックバンドにとっては苦しい状況が続いていますが、今回の2曲のようにストリーミングの場においても支持されるアウトプットが生まれつつあるのはとても良い流れのように思います。

以上、11月の注目ポイントをお届けしました。次月もどんな動きがあるのか楽しみです!


【2021年11月 LINE MUSIC 月間ランキング 】

01「Gifted. 」BE:FIRST
02「Rocketeer」INI
03「Yodelic Fire」超特急
04「ベテルギウス」優里
05「なんでもないよ、」マカロニえんぴつ
06「Chopstick」NiziU
07「Dance Dance Dancing!」超特急
08「僕らの季節」JO1
09「Ito」TOMORROW X TOGETHER
10「Sonrisa」超特急
11「Cead Mile Failte」超特急
12「Te quiero mucho」超特急
13「0X1=LOVESONG (I Know I Love You) (Japanese Ver.) (feat. 幾田りら)」TOMORROW X TOGETHER
14「Magnifique」超特急
15「荣光」超特急
16「Honey」三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE
17「水平線」back number
18「常緑」大橋ちっぽけ
19「ミライチズ」夜のひと笑い
20「シンデレラボーイ」Saucy Dog
21「ドライフラワー」優里
22「You Don’t Care」超特急
23「ホワイトキス」鈴木鈴木
24「ってか」日向坂46
25「シャッター」優里
26「Cry Baby」Official髭男dism
27「ワライカタ」夜のひと笑い
28「大大大地」超特急
29「ハート」あいみょん
30「愛しき日々の真ん中で」平井 大
31「阿修羅ちゃん」Ado
32「あいまって。」山本 彩
33「The Feels」TWICE
34「Butter」BTS
35「Prologue」JO1
36「Ribbon」M!LK
37「WANNABE -Japanese ver.-」ITZY
38「沈丁花」DISH//
39「Permission to Dance」BTS
40「YOKAZE」変態紳士クラブ
41「夜撫でるメノウ」Ayase
42「踊り子」Vaundy
43「ツキミソウ」Novelbright
44「踊」Ado
45「ヨワネハキ( feat.和ぬか & asmi)」MAISONdes
46「Dynamite」BTS
47「STAY」The Kid LAROI & Justin Bieber
48「クリスマスソング」back number
49「勝たんしか症候群」たかやん
50「SCIENTIST」TWICE
51「黄色」back number
52「CITRUS」Da-iCE
53「きらり」藤井 風
54「これからのこと」ケプラ
55「オタパリディスコ(TV size)」スカイピース
56「明け星」LiSA
57「怪物」YOASOBI
58「群青」YOASOBI
59「夜に駆ける」YOASOBI
60「GOOD NIGHT (G⇔P ver.)」PARADISES
61「かわいいよる。」neるne
62「海のリビング」鈴木鈴木
63「勿忘」Awesome City Club
64「雲の上」心之助
65「Anniversary」平井 大
66「Rock with you」SEVENTEEN
67「ラストシーン」菅田 将暉
68「聖なる夜のシンデレラ」なんキニ!
69「ハナ」ORβIT
70「いつか」Saucy Dog
71「三原色」YOASOBI
72「Stand by me, Stand by you.」平井 大
73「MIRROR MIRROR」平井 大
74「夏音」優里
75「Bluma to Lunch」BLOOM VASE
76「現状間違いなくGO TO THE BEDS (G⇔P ver.)」GO TO THE BEDS
77「Chill out@JP」超特急
78「魔法の絨毯」川崎鷹也
79「君に夢中」宇多田ヒカル
80「点描の唄 (feat. 井上苑子)」Mrs. GREEN APPLE
81「カラメル」もさを。
82「恋人ごっこ」マカロニえんぴつ
83「Holtasoley」超特急
84「ピーターパン」優里
85「だるまさんが転んだ」imim
88「でざいん」neるne
87「怪盗」back number
88「ワンルーム」Novelbright
89「Curtain Call( feat.Taka)」清水翔太
90「Savage」aespa
91「真生活 (feat. 案山子) [Cover]」Kotoha
92「虹色の戦争」SEKAI NO OWARI
93「虹」菅田将暉
94「Pretender」Official髭男dism
95「Kick Start」BE:FIRST
96「炎」LiSA
97「結」Saucy Dog
98「napori」Vaundy
99「大正浪漫」YOASOBI
100「Shining One」BE:FIRST