THE F1RST TIMES

COLUMN

2022.06.01

三浦大知の進化した芸術性を魅せる「飛行船」。“一発撮りダンスパフォーマンス”で『THE FIRST TAKE』に初登場

TEXT BY 森朋之

■『THE FIRST TAKE』の新しい試み。三浦大知、ダンサーたちの生き様を感じて

『THE FIRST TAKE』に、三浦大知が初登場。ボーカル×ダンスパフォーマンスの可能性を追求したアルバム『球体』(2018年7月発表)に収められた「飛行船」を披露した。

2005年にソロデビュー。幼少期から鍛え上げられたダンス&ボーカルを軸にしたパフォーマンスは、キャリアを重ねるにつれて進化を果たしていく。2012年に日本武道館、2013年に横浜アリーナで単独公演を成功させると、シングル「(RE)PLAY」(2016年)、「EXCITE」(2017年)あたりから地上波の音楽番組にも広く出演し始め、現在はNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』の主題歌「燦燦」も手がけている。

彼が最高峰のダンサーたちと繰り広げる──高いテクニックと驚異的なシンクロ感を共存させた──ステージには数多くの音楽ファンが注目。彼が日本を代表するエンターテイナーとして世界的な評価を得るに至ったのは、周知の事実だろう。

「飛行船」は、音楽的盟友であるNao’ymtとともに制作されたアルバム『球体』の収録曲。リリースは2018年夏だが、実は2015年頃から構想され、3年以上をかけて完成した作品だ。ダンスと楽曲を高いレベルで融合させてきた彼が、ライブパフォーマンスで披露することを前提に形作った『球体』は、アンビエント、フューチャーベースなどを取り入れたトラック、普遍的なメッセージ性と文学的な表現を共存させた歌詞、豊かで奥深いボーカリゼーションが美しく絡み合う一作。三浦大知のキャリアの中でも突出した魅力を放っている。

筆者はアルバムリリース前に行われた『完全独演公演「球体」』(2018年5〜6月/全8ヵ所・10公演)のNHKホールでの東京公演を観たのだが、前衛的とも言えるサウンドメイクと音響、そして、三浦の卓越したボーカル/ダンスとともに描かれるシアトリカルなステージは、今もしっかりと記憶に刻まれている。

そして、今回の『THE FIRST TAKE』における「飛行船」で彼は、自身の芸術性と身体性をさらに向上させていることを明確に示してみせた。

マイクを手にして、カメラの前に登場した三浦大知。「お願いします」という言葉から、一瞬のブレス、そして“開く扉/放たれた光/程なく/吸い込まれる人たち”というラインを描き出す。

まず心に残ったのは、ひとつひとつの言葉を丁寧に紡ぎ出す姿。人々を吸い込んだ飛行船が次々と飛び立っていく。それは本当に必要なことなのか、その先に“生まれてきた理由”はあるのか。根源的なテーマを抱えながら、“印などいらない/保証などいらない/ただ自分でいたいだけ”とエモーショナルに歌い上げるシーンに、強く惹きつけられてしまう。

そしてダンサー6人が登場。トラックのビートが強調され、ダンスパフォーマンスに移行する。歌詞に込められた意味やメッセージを全身で表現することで、「飛行船」という楽曲の本質がリアルに体現されていく。

参加したダンサーは、現在行われているツアー『DAICHI MIURA LIVE TOUR 2019-2022 COLORLESS』にも帯同しているShingo Okamoto、Taabow、Daiki、MiQael、Miu Ide、Ami。楽曲に刻まれた“静”と“動”を、精緻な振付と奔放な動きで表現するアクトは、まさに圧巻だ。3分30秒あたり、2度目のサビを歌い切った三浦が、“ハッ!”という叫びとともに披露したソロダンスも大きな見どころ。さらに7人の群舞が始まり、一気にクライマックスへ。時間の流れをコントロールするようなコレオグラフにもぜひ注目してほしい。

ダンサーとともに『THE FIRST TAKE』史上初となる“一発撮りダンスパフォーマンス”を見せつけた彼の「今回『THE FIRST TAKE』としてもダンスのある新しい試みということで、スタッフさんも含めてみんなの気持ちが一つになって、とても贅沢な作品が作れたんじゃないかなと思います。全身全霊、みなさんに届くように思いきり歌って踊りましたので、三浦大知、そして今回一緒に出てくれてるダンサーたちの生き様を感じていただけたら嬉しいです」という出演コメントからも、自らの表現に対するプライド、ダンサーへの強い信頼が伝わってきた。

振付・構成・演出を自ら行い、この瞬間だけのレアなステージを体現した三浦大知。今回の出演によって彼は、その普遍的な魅力を改めて証明することになるだろう。


リリース情報

2022.06.08 ON SALE
SINGLE「燦燦」(連続テレビ小説『ちむどんどん』主題歌)
シングル詳細:https://avex.jp/daichi/discography/



ライブ情報

DAICHI MIURA LIVE TOUR 2019-2022 COLORLESS
(全22会場・33公演)
公演詳細:https://avex.jp/daichi/live/tour.php?id=1002092



YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』
https://www.youtube.com/channel/UC9zY_E8mcAo_Oq772LEZq8Q
三浦大知Official YouTube
https://avex.jp/daichi/