THE F1RST TIMES

COLUMN

2022.06.02

Uruが新曲「それを愛と呼ぶなら」で伝える“生きるうえでもっと大切なこと”。歌声とともに刺さる言葉

TEXT BY 森朋之

■“自分はどう変わっていくべきか”を丁寧に見つめ直す

大切な人、愛する人との関係は、時間の経過とともに少しずつ変化する。決定的な出来事がなかったとしても、いつの間にか気持ちがずれていき、気が付けば取り返しがつかない状況になっていた。そんな経験をした人も多いだろう。

そのとき大事なのは“もう一度、関係を作り直したい”という真摯な思いだ。一度は躓いてしまったとしても、そのなかで気付いたことを活かし、“自分はどう変わっていくべきか”を丁寧に見つめ直せば、必ずやり直せる──Uruの新曲「それを愛と呼ぶなら」を聴けば、誰もがそのことを実感するはずだ。

「それを愛と呼ぶなら」は、ドラマ『マイファミリー』の主題歌。ゲーム会社社長・鳴沢温人(二宮和也)、妻・未知留(多部未華子)が次々と直面する困難を乗り越え、家族の平穏を取り戻そうとする姿を描いた作品だ。Uruはこの楽曲に対し、「メロディーや歌詞も含め、前を向けるような、大切な人への気持ちに素直になれるような曲にしたいと思いながら作ったので、この気持ちがドラマとリンクできたら嬉しいですし、曲を聴いた人の心にも伝わって欲しいなと思います」とコメント。この言葉が示す通り、ドラマのストーリーやメッセージに寄り添いながら、より普遍性のある楽曲に結びつけている。

■人が生きるうえでもっと大切なことを真っ直ぐに伝える

「それを愛と呼ぶなら」は、クラシカルな手触りのピアノと弦からはじまる。最初のフレーズは“掛け違えていたボタン 一つずつ/下から順に外してもう一度重ねていく”。大切な“君”との思い出、当たり前にように感じていた幸せを想起し、“守りたいものがあると、そこに未来があるんだ”というサビのラインによって、“もう一度、大切な人との関係を作り直したい”という切実な思いを解き放つ。きわめてシンプルな言葉で、人が生きるうえでもっと大切なことを真っ直ぐに伝える、ソングライターとしてのUruの資質が明確に表れた楽曲だと思う。

アレンジは、小林武史が担当。Uruとのタッグは「あなたがいることで」(2020年/ドラマ『テセウスの船』主題歌)以来となる。Aメロはピアノと歌、Bメロでベースとシンセが加わり、サビではバンドサウンドと荘厳なストリングスで楽曲のダイナミズムを演出。精緻な構築美、ダイナミックな音像をバランスよく共存させ、Uruの力強く、真っ直ぐな歌を際立たせる手腕は、流石としか言いようがない。

■震えるような繊細さと強靭な意思を同時に感じさせる表現力

もちろん、すべての中心にあるのはUruのボーカルだ。一瞬で聴き手を惹きつける、ややハスキーな声質。そして、震えるような繊細さと強靭な意思を同時に感じさせる表現力。昨年デビュー5周年を迎え、11月にはデビュー前から目標にしていた東京国際フォーラムホールAでの単独公演『Uru Live 2021「To You」』を成功させるなど、確実にステップアップしてきた彼女。「それを愛と呼ぶなら」における歌唱からは、アーティストしての深化が強く伝わってきた。

カップリング曲からも、Uruの表現がさらに深まり、広がっていることが感じられた。もともとは“恋人のために窓下などで演奏される曲”を意味する「セレナーデ」をタイトルにしたこの曲は、“君”を強く愛しながら、それを伝えることができない姿を映し出すバラードナンバー。“君を知らない誰かになれたら/きっと楽になれるのに”など、胸を締め付けられるようなフレーズを重ねることで、痛みにも似た思いを表現している。デビュー曲「星の中の君」はじめ、彼女の作品の多くを手がけてきたトオミヨウによるシックで上質なアレンジも絶品だ。

またこの楽曲は、デビュー記念日の6月15日に上梓される初の著書(短編集)『セレナーデ』に収録される物語のもとにもなっている。この書籍に収められる「セレナーデ」は、摂食障害で悩む高校三年生の葵と彼女の恋人の隼人、そして、幼馴染の陽が、それぞれの過去や悩みと向き合い、他者と触れ合いながら前に進む姿を描く青春群像劇。その他、自身の楽曲をもとに書かれた「しあわせの詩」「鈍色の日」も収録され、Uruのストーリーテラーとしての魅力を味わえる一冊となっている。

■彼女のキャリアは、次のフェーズへと進んでいく

さらにシングルには、マカロニえんぴつ「なんでもないよ、」のカバー、前作シングル「Love Song」のセルフカバーを収録。 初回盤には、「それを愛と呼ぶなら」「Love Song」のMVと前述した東京国際フォーラムホールA公演のダイジェスト映像がBlu-rayで収録される。2022年の最初のシングルで、5年間の活動のなかで築き上げてきた個性、そして、新たな表現に踏み出す姿勢を示したUru。この作品によって彼女のキャリアは、次のフェーズへと進んでいくことになりそうだ。


リリース情報

2022.06.01 ON SALE
SINGLE「それを愛と呼ぶなら」

初回生産限定盤

通常盤


Uru OFFICIAL SITE
https://uru-official.com