THE F1RST TIMES

COLUMN

2022.07.29

変態紳士クラブ『THE FIRST TAKE』有観客ライブで「溜め息」披露! メンバーそれぞれがリアルな思いを刻む

TEXT BY 森朋之

■「夢は叶うんやなと思うんで。みんなも諦めんとやりましょう」静かなエモーションと呼ぶべきステージング

YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』初の有観客ライブ『INSIDE THE FIRST TAKE supported by ahamo』、7組目として登場したアーティストは3人組ユニット「変態紳士クラブ」。

“わかってるこのlifeは甘くない/腹を決めて行くだけさ”というラインが胸を打つ「溜め息」の一発撮りパフォーマンスと、楽曲や歌詞に込めた思いを語ったドキュメンタリー映像が公開された。

ラッパーのWILYWNKA(ウィリーウォンカ)、レゲエ・ディージェイのVIGORMAN(ビガーマン)、プロデューサー/トラックメーカーのGeG(ジージ)による3人組ジャンルレス・ユニット、変態紳士クラブ。2017年から活動をスタートさせ、同年7月に1stシングル「WAVY」をリリース。1st EP『ZIP ROCK STAR』に収録された「すきにやる」が注目を集め(Music Videoの再生数は約2,700万回)、一気にブレイクを果たした。さらに2nd EP『HERO』収録曲「YOKAZE」がストリーミング再生2億回を超えるヒットを記録。この楽曲は『THE FIRST TAKE』第116回でGeGがこのときのために制作したトラックにのせて、WILYWNKA・VIGORMANによって披露され(2021年5月7日公開)、再生数は1,700万を突破、注目度の高さを改めて示した。

ヒップホップ、レゲエを中心に幅広いシーンで音楽的ポテンシャルを証明する一方、今年2月に初の日本武道館公演を成功させるなど、人気と実力を高いバランスで体現し続ける3人。今回の『INSIDE THE FIRST TAKE supported by ahamo』でも、そのアーティストシップを存分に見せつけた。

映像は、新作EP『舌打』に収録された「溜め息」に関するインタビューから。この楽曲は「『大事やな、ここで作る一曲』っていう話をしてて」「三人でスタジオで喋りながら『頑張ってる奴シブいよな』って」というところから始まったという。

「その人が何であろうが、頑張ってる奴は凄いんじゃないかっていう」(WILYWNKA)

「俺も思い通りにいかんかったら、悩むときもあるやろうけど。それでも挫けずやってる奴への応援歌って感じっすね」(VIGORMAN)というコメントが示す通り、「溜め息」にはメンバー自身の超リアルな思いが刻まれている。

さらにGeGが「音楽全体を通して、景色を見せるとか自分の得意技やと思ってて。その情景はトラック聴いてもらったら伝わるんじゃないかな」と自らの音楽的スタンスを説明。「最近、自分のスタイルが変わってきていて。(「溜め息」は)それの走りになった曲」と言葉を重ねた。

また、“見てる奴らは見てる そう信じて声枯らしてく”というラインについて言及。「見られてることは多分実感できないんすよね。でも、見てる奴らは見てんでって」(VIGORMAN)「自分のやった行動が一つ一つ繋がってくるんで、絶対。それ意識したらいいんじゃないかって思いますね、あの歌詞を聴いたら」(GeG)と実体験にもとづいた生々しいトークが繰り広げられた。

この日だけの特別アレンジのよるパフォーマンスも、こちらの期待を遥かに上回るクオリティだった。3人がステージに上がると、背後の幕が上がり、そこにはバンドメンバーの姿が。直後にギターのフレーズが鳴り、“今日も煙草ふかし飲む缶コーヒー/コンビニ弁当見て溜め息”というラインが響く。メロウかつグルーヴィーな安堵サウンドを背景に綴られるのは、思うようにいかない現状、そして、“舐めんなこっから今に見てろ”という強い思い。決して感情を高ぶらせることなく、リリカルに言葉を連ねていくのだが、だからこそ一つ一つのフレーズが胸に迫り、「溜め息」という楽曲が“自分のこと”として伝わってくる。そう、静かなエモーションと呼ぶべきステージングもまた、変態紳士クラブの武器であり、魅力なのだ。

この出演に際して3人は、

「自分らで歌っておきながら、こんなこと言うのもあれなんですけど、この『溜め息』という曲を作ってよかったなって、歌ってて救われたような気持ちはしました」(WILYWNKA)

「ステージっていうか、あそこに上がってからはもう一瞬も一瞬やったけど、なんかこう、2週間前ぐらいから、ふとよぎるみたいな」「そのナーバスな時間を含めたら、やっと終わったみたいな感じなんですけど。やっぱ緊張はしました」(VIGORMAN)

「僕、実は29歳ぐらいまで音楽で飯食えてなくって、30歳で音楽やめようと思ってたんですけど、まぁそれでこいつらと音楽するようになって、29歳半ぐらいでいきなり飯食えるようになったんですよね。そこから今、僕こうやって『THE FIRST TAKE』とか出させてもらってるってことは、夢は叶うんやなと思うんで。みんなも諦めんとやりましょう」(GeG)

というコメントを寄せている。何かに向かって頑張っている人、諦めかけている人、もう一度トライしようと思っている人。すべてのオーディエンスを鼓舞する最高のステージだった。



リリース情報

2022.07.27 ON SALE
Blu-ray&DVD『変態紳士舞踏会 in 日本武道館』



『THE FIRST TAKE』OFFICIAL YouTube
https://www.youtube.com/channel/UC9zY_E8mcAo_Oq772LEZq8Q

『THE FIRST TAKE』OFFICIAL SITE
https://www.thefirsttake.jp/

変態紳士クラブ OFFICIAL SITE
https://www.toysfactory.co.jp/artist/hentai