入学や就職といった、新生活が始まる心躍る出会いの季節であり、それと同時に卒業や次なる目標へ進むための別れの季節でもある、春。そして、そんな春ならではの心境を表しているのが“桜ソング”だろう。桜を見ると思い出す定番の名曲から最新曲まで盛りだくさんの桜ソング30曲をお届けする。
■桜ソング全30曲一覧
「桜のあと」Tani Yuuki, Ryo‘LEFTY’Miyata, cross-dominance
「桜、ひらり」サザンオールスターズ
「サクラキミワタシ」tuki.
「さくら(独唱)」森山直太朗
「桜流し」宇多田ヒカル
「春雷」米津玄師
「春愁」Mrs. GREEN APPLE
「桜」コブクロ
「桜日和とタイムマシン with 初音ミク」 Ado
「さくら」ケツメイシ
「夜桜お七」坂本冬美
「桜が降る夜は」あいみょん
「春泥棒」ヨルシカ
「春よ、来い」松任谷由実
「はなびら」back number
「千本桜」和楽器バンド
「ひらりと桜」Snow Man
「桜坂」福山雅治
「SAKURAドロップス」宇多田ヒカル
「桜color」GRe4N BOYZ
「ガチ桜」湘南乃風
「今日もサクラ舞う暁に」CHiCO with HoneyWorks
「桜晴」優里
「栞」クリープハイプ
「桜の時」aiko
「桜色舞うころ」中島美嘉
「サクラウサギ」川崎鷹也
「10年桜」AKB48
「桜ノ雨」absorb
「春はゆく」Aimer
桜が咲く季節に聴きたい名曲を集めたプレイリスト。舞い散る花びらのような切なさや、新しい始まりの高揚感がある30曲。春の記憶に寄り添う一曲を見つけて!
【楽曲リンク:人気桜ソング30選】
■なぜ心に残る?桜ソングの聴きどころをわかりやすく解説
「桜のあと」Tani Yuuki, Ryo‘LEFTY’Miyata, cross-dominance
2025年3月にリリースされた桜ソング。耳にスッと入ってくる優しいサウンドと柔らかい歌声。《大丈夫、大丈夫 僕らなら 忘れないだろう》というフレーズは、これまでの出会いや別れを、“これでよかったんだ”と肯定してくれる。懐かしい友人たちを想いながら、春の陽射しのなかを散歩したくなるような一曲。
「桜、ひらり」サザンオールスターズ
全国の被災地に想いを寄せて2025年1月1日にリリースされたサザンの「桜、ひらり」。歌詞に使われている“柳暗花明(りゅうあんかめい)”は、“柳が薄暗く茂り、花が明るく咲く”という春の景色を例えた四字熟語。その言葉どおり悲しみを抱えながらも、未来に希望を見出し生きていく人々の心を表した歌詞は春の光景そのもの。ポップなサウンドでサザンらしさ満開でありながら、心に優しく寄り添うこの曲は国民の新しい応援歌といえるだろう。
「サクラキミワタシ」tuki.
『第75回NHK紅白歌合戦』で初出場を果たし、実力を見せつけたシンガーソングライター・tuki.。2024年1月に自身の中学卒業を控える時期にリリースされた「サクラキミワタシ」は、卒業前の気持ちをそのまま曲にしたという。当時は若干15歳でありながら、どこか懐かしさを感じさせる彼女の包み込むような歌声が卒業の記憶を呼び起こす、大人にもおすすめの桜ソング。
「さくら(独唱)」森山直太朗
今や、合唱曲や卒業式・入学式といった式典にも選ばれる、日本を代表する桜ソングのひとつ。2003年楽曲発表以降、多くの人の心を奮わす名曲だ。学生時代の思い出の一曲として記憶に残っている人も多いだろう。2019年には、夢を実現しようと突き進む主人公を高畑充希が演じたドラマ『同期のサクラ』の主題歌として「さくら(二〇一九)」を、コロナ禍の受験生を応援するストーリーのカロリーメイトCMソングとして「さくら(二〇二〇合唱)」をリリースしており、困難に立ち向かう曲としても広まっている。
▼「さくら(二〇一九)」 Music Video
▼カロリーメイトCM|「見えないもの」篇 フルバージョン 森山直太朗 – さくら(二〇二〇合唱)
「桜流し」宇多田ヒカル
2012年11月リリース。映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』のテーマソングとして書き下ろされた一曲。生と死を少しずつ整理するように、ひとり静かに呟く歌詞が、大切な人を失った喪失感と向き合いながら生きることの意味を教えてくれる。悲しみは愛から生まれるものだと気づき、深く誰かを愛した記憶が、また心を強くしてくれる。
「春愁」Mrs. GREEN APPLE
2018年2月にリリースされたシングル「Love me, Love you」のカップリング曲。人間関係や人生の複雑さに疲れたとき、“それでいいや”とシンプルに生きることの大切さを思い出させてくれる温かな桜ソング。新生活で不安や葛藤を抱える人にこそ、「春愁」を聴いてほっと一息ついてほしい。
「春雷」米津玄師
2017年11月リリースのアルバム『BOOTLEG』収録曲。疾走感あふれるサウンドと、青やピンクの光に包まれた冷たい印象のMVとは対照的に、感情が揺れ動く表情豊かなラブソングだ。想いが募るほど平静を装ってしまう、人間のもどかしさを感じさせる。誰かに心を動かされそうになったとき、動揺を隠しながら「春雷」を堪能したい。
「桜」コブクロ
インディーズ時代に作られ、コブクロ結成のきっかけにもなったという同曲は、叶わない思いをも大切な瞬間として心に残し、力強く生きていこうというコブクロの優しいメッセージが込められている。言葉一つひとつを際立たせるような曲に対し、ふたりの包み込むようなハーモニーが映える。また、“桜”を“咲く love”と表現する、彼ららしい言葉遊びも。耳で、目で、そして心で楽しむ、桜ソングである。
「桜日和とタイムマシン with 初音ミク」Ado
変われないまま大人になってしまった自分を責めながらも、戻れない過去を懐かしむ、胸を締めつけるような歌詞が印象的な桜ソング。Adoが人生の支えにしてきたと語る初音ミクとのコラボ曲であり、楽曲提供は彼女が初めてライブを見に行ったアーティストで、自身の青春だと語るまふまふというスペシャルな一曲。心に訴えかけてくるAdoの歌声と、初音ミクの優しくも悲しげな歌声が楽曲と見事にマッチしている。
「さくら」 ケツメイシ
萩原聖人と鈴木えみによるドラマ仕立てのMVが印象的な、2005年2月16日リリースの「さくら」 。鍵盤とケツメイシを語るうえで外せない人気曲のひとつでもある。満開の桜をきっかけに、いつでも鮮明に蘇る“ふたりで過ごしたあの頃”。今は隣にいない恋人との日々に思いを馳せる同曲は、年齢を重ねるほどに味わい深くなる。2021年には、久間田琳加と、『ケツノポリス4』を車でかけていた父親の影響で同曲のファンになったという伊藤あさひによって令和版の新MVが公開。ピアノとストリングスによる、春を感じさせるイントロも必聴だ。
▼ケツメイシ「さくら」(2021年 ver.)
「夜桜お七」坂本冬美
1994年9月リリース。紅白歌合戦といえば、この曲を思い浮かべる人も多いだろう。演歌にポップスやロックの要素を融合させ、世代を超えて愛されてきた桜ソングだ。江戸時代に恋心から少女が起こしてしまった『八百屋のお七』事件を題材に、ミステリアスなイントロから力強いサビまで、まるで演劇を観たような満足感を与えてくれる。
「桜が降る夜は」あいみょん
2021年2月17日に配信リリースされた、ABEMAオリジナル恋愛リアリティーショー『恋とオオカミには騙されない』主題歌でもある同曲。満開の桜はとても美しいが、そのぶん散る儚さや寂しさもあり…そんな桜に純真な恋心を重ねた、甘酸っぱさのあるラブソングだ。実は22~23歳頃に作詞作曲したもので、改めて楽曲と向き合った際に思わずあいみょん本人も驚いたほどにまっすぐな想いが綴られている。そのまっすぐさが曲の雰囲気にもマッチし、全体としてかわいらしさを感じさせるのだろう。
「春泥棒」ヨルシカ
2021年1月9日にリリースされた「春泥棒」 は、作詞作曲をつとめたn-buna(Gu、Composer)によると、“桜”を命、“風”を時間に見立てることで“春風”を表現し、春風が吹くと桜は散ることから“春泥棒”と、桜をきっかけに着想を広げて完成させたという。美しい旋律、口ずさみたくなるポップさで聴き手に満開の桜をイメージさせる巧妙さはさすがのひと言。MVでは、この命の物語を咲き誇る桜の美しさとともに楽しむことができるので、楽曲と合わせて堪能してほしい。
「春よ、来い」松任谷由実
1994年10月リリース。ピアノのアルペジオを聴くだけで、その美しさにハッとさせられる。そして、純粋な少年のようにも感じられるハスキーなユーミンの声が奏でる春の調べは、色褪せることを知らず今も鮮やかだ。都会から少し離れた場所で、春を味わい、また春を待ちわびながら、静かに日本を感じたくなる。
「はなびら」back number
2011年4月にリリースされたback numberのメジャーデビューシングル。別れてしまった恋人を責めることもなく《今度はもう離さないよ》と静かに想いを差し出す、ストレートで優しいラブソング。「はなびら」のような恋を知らなくても、純粋さを失ったと感じていても、もう一度誰かを大切に想いたくなる一曲。
「千本桜」和楽器バンド
2014年4月リリースのメジャーデビューアルバム『ボカロ三昧』収録曲。カバー曲でありながら、磨き抜かれたアレンジが光る。和楽器の鋭く切れ込むアタック音、尺八のかすれた余韻、こぶしの効いたしなやかな歌声が、日本の美を鮮やかに描き出す。クールジャパンを語るならこの一曲で十分と思わせるほど、誇りと粋が響く名曲だ。
「ひらりと桜」Snow Man
Snow Manがメインキャストの舞台『滝沢歌舞伎 ZERO』で開幕を告げる曲であり、ファンにとっても思い入れ深い「ひらりと桜」。大量の桜吹雪のなか、和を取り込んだ曲に合わせてしなやかに歌い踊るメンバーが見もので、視覚的にも楽しめるエンターテインメント性の高い桜ソングだ。日本人の琴線に触れる曲もさることながら、Snow Manの気負いに満ちたパフォーマンスも圧巻。所作や表情、歌声やハーモニーで、逞しくも、凛々しくも、色っぽくもみせている。大きく枝をのばす立派な桜を前にすると、力をもらった気がするように、同曲を耳にすると自然と力が湧き上がってくる。
「桜坂」 福山雅治
バラエティ番組内のいち企画ながら、大きな反響を呼んだ恋愛リアリティ企画『未来日記』シーズンVのテーマソングであり、2000年4月にリリース 。ふたりで歩む未来はなくても…今も変わらず思い続ける“愛しき人”の幸せを願う、淡く切ない恋心が綴られている。曲名のモデルとなった、東京都大田区にある桜坂は、『未来日記V』のロケ地であり、デビュー前の福山自身も近くに住んでいたというエピソードも有名だ。
「SAKURAドロップス」 宇多田ヒカル
「Letters」と両A面で2002年5月9日に発売された、宇多田ヒカル11枚目のシングル楽曲。江戸時代の画家・伊藤若冲にインスパイアされた映像美で織りなすMVも楽曲発売当初から大きな話題に。“舞い落ちる桜の花びら=SAKURAドロップス”とし、恋愛の美しさと切なさを歌っている。どこかオリエントな、幻想的な雰囲気を醸し出す同曲だが、“秋のドラマ再放送”といった日常のなかでの時間経過を感じさせるワードチョイスも宇多田ヒカルならではといえるだろう。
「桜color」GRe4N BOYZ
2013年2月リリース。慣れない新しい街でも、遠い故郷も、舞い落ちる桜は同じ色だと語りかける「桜color」。《弱さをこらえ 顔をあげるよ》という言葉が、誰もが不安を抱えながら前を向いていることを思い出させる。GRe4N BOYZならではの青春を感じさせるハモリは、友人たちと大声で歌いたくなる応援歌。
「ガチ桜」湘南乃風
2010年2月リリース。“桜”には似つかわしくない“ガチ”という言葉に、思わず身構えてしまうかもしれない。だが、数々の応援歌を生み出してきた湘南乃風ならではの一曲。《我慢強く春を待つ蕾のように》理想と現実の狭間で心が折れそうなとき、「ガチ桜」は寄り添いながらも、力強く前を向く勇気を与えてくれる。
「今日もサクラ舞う暁に」CHiCO with HoneyWorks
2017年4月リリース。数々のヒットを放つハニワの桜ソングは、TVアニメ『銀魂~よりぬけ!銀魂さん~』のOPテーマに起用され、「プライド革命」に続く2度目のタッグ曲。銀魂ファンはもちろん、キャッチーで疾走感あふれるサウンドと、CHiCOの爽やかに突き抜ける歌声にぴったりな青春真っ只中の歌詞が心を掴む。
「桜晴」優里
実力派シンガーソングライター・優里、初の卒業ソングは2022年にリリースされた「桜晴」。コロナ禍であまり学校生活を過ごせず、友達と思い出を作れなかったというファンから届いたメールをきっかけに制作されたこの曲は、優しいピアノの伴奏に乗せて両親に対する感謝や卒業までの葛藤を歌にしている。YouTubeで公開されたtuki.とのコラボでは、ふたりの圧倒的な歌唱力で人々を魅了している。
▼「桜晴」piano ver. 優里 × tuki.
「栞」 クリープハイプ
2018年の『FM802 × TSUTAYA ACCESS !』キャンペーンソングとして尾崎世界観が作詞作曲した「栞」を、クリープハイプver.として同年9月26日発売のアルバム『泣きたくなるほど嬉しい日々に』に収録。『祐介』『母影』など、小説家としても活躍する尾崎世界観の文学的な歌詞が光る、春の物悲しさを疾走感溢れるバンドサウンドで昇華。《「ちょっといたい もっといたい ずっといたいのにな」》と素直に言い出せない気持ちを心に閉まったまま終わってしまう恋はどこまでも切なく、卒業など別れの季節でもある春にハマる一曲だ。
「桜の時」aiko
2000年2月17日にリリースされた、aiko5枚目のシングル。憂鬱なことでも楽しいことだと思えるように、物事を見方を変えてくれる存在に出会い、そんな相手へ尽きることのない愛情を高らかに歌う同曲は、“こんなふうに誰かを愛したい!”という人はもちろんのこと、恋を始めたばかりの人にぜひ聴いてほしい。《幸せなキスをするのがあなたであるように》と春の暖かな陽気にうってつけな、幸せな気持ちにさせてくれるポップナンバー。
「桜色舞うころ」中島美嘉
日本語の美しさを感じさせてくれる「桜色舞うころ」は2005年2月にリリースされた。中島自身初の桜ソングとなったこの曲は、彼女の華奢で儚いイメージとハスキーな歌声が見事に曲とマッチし、楽曲の奥深さを増幅させている。歌詞に四季を取り入れることで、時間経過だけでなく、その季節ごとの“ふたり”の距離感や心理描写がつかみやすい。旋律の美しさもあって、森山良子や徳永英明といったアーティストにもカバーされるほど、多くの人に愛されている。
「サクラウサギ」川崎鷹也
日常を切り取った親しみやすい音楽性が魅力のシンガーソングライター・川崎鷹也の2021年1月リリースの「サクラウサギ」は、学生生活で3年間恋をした人に思いを伝えられない自分を“臆病で弱虫なウサギ”と例えた桜ソング。この曲を作った経緯について「“好き”という気持ちを相手に伝えられない、そんな“サクラウサギ”な皆さんの背中を押すきっかけに、この曲がなればいいなと思って作りました」と語っている。今抱いている、その気持ちを大切に。この曲を聴いて勇気をもってほしい。
「10年桜」AKB48
2009年3月にリリースされた、AKB48の11thシングル楽曲。学校などの集団から羽ばたいて、ひとりで歩き出すとき。先が見えない不安、ひとりでやるしかないという孤独、本当にやっていけるのかという焦り…誰もが経験するであろう、旅立ちの負の感情を拭い去るほどのエネルギーに満ちた桜ソング。一歩踏み出せずにいるとき、この曲が背中を押してくれるに違いない。それは、それぞれの次なる夢へと羽ばたいていく彼女たち自身にもいえることで、そう考えると、より感慨深いエールソングでもある。
「桜ノ雨」absorb
2008年11月リリースのメジャーデビュー曲。ニコニコ動画に投稿された初音ミクのボカロ曲を自身でカバーし、ネットを中心に大きな支持を集めた。今や令和の卒業・合唱ソングの定番。派手さはないが、等身大の視点で学校生活の小さな出来事を丁寧に重ねる歌詞が、聴く人それぞれの大切な思い出にそっと重なる。
「春はゆく」Aimer
2020年3月リリース。劇場版アニメ『Fate/stay night [Heaven’s Feel] III. spring song』主題歌。壮大な世界観を表現できるのは、アニメ作品と強い親和性を持つAimerだからこそ。抗えない運命を抱えた想いが胸に迫り、物語の中に溶け込んだような感覚を味わえる。
■出会いや別れの季節にぴったりの名曲が盛りだくさん
次世代に受け継がれていく名曲からあらたな視点や価値観から生み出された最新曲まで、ひと言に“桜ソング”といっても、それぞれの趣がある。
新生活に向けて誰かに背中を押してもらいたい人も、悲しい別れを経験して癒されたい人も春を迎えるすべての人に自分にぴったりな桜ソングを見つけてほしい。
TEXT BY 日谷仁美














