CHIKA、NAOKO、JISOO、YURI、MOMOKA、KOHARU、MAHINAの7名からなるガールズグループ・HANA。7月14日配信リリースされたばかりの新曲「Blue Jeans」(※7月16日に2ndシングルとしてCDリリース)では、初のラブソングに挑戦。本稿では「Blue Jeans」の魅力について考えていきたい。
■自己と向き合ってきたHANA初のラブソング
BMSG × CHANMINA GIRLS GROUP AUDITION PROJECT『No No Girls(読み:ノーノーガールズ)』 から誕生以降、人々の注目を一身に受けるHANA。
どんな状況下であっても信念を貫こうとするタフさを歌ったデビュー曲「ROSE」(※4月2日配信、同月23日にCDリリース)は、幾度となく自分自身と向き合って成長を続けてきたHANAの強さや美しさを感じさせる一曲で、発表から3ヵ月でストリーミング1億再生を突破したほか、多くの配信チャートで1位を獲得。
続く、「Burning Flower」(※6月9日配信、7月16日発売の「Blue Jeans」CDに収録)では夢の第一歩を歩み始めたHANAが今後の活躍を宣言するような、アーティストとしての決意表明ともいえる潔い内容となっており、数々のチャートを賑わせている。
『No No Girls』でも自分自身との対峙を重要視し、その思いを歌ってきたHANAだが、最新曲「Blue Jeans」では初のラブソングに挑戦。
同曲の作詞はHANAのプロデュースをつとめるちゃんみな、作曲はちゃんみなとRyosuke “Dr.R” Sakaiが担当。どこかノスタルジーで、ギターの響きが心地よいメロウなナンバーとなっている。
初めて芽生えた“恋”という感情に戸惑ったり、自身のなかで起こる気持ちの変化に驚きや不安を覚えながらも、芽生えた感情を大切にしたいと願う純真さに心打たれる。自己と向き合ってきたHANAだからこそ表情豊かに紡がれる繊細な心の機微の変化も聴き応えがある。
■歌詞考察:“Blue Jeans”“古いスニーカー”が意味するものは?
「Blue Jeans」
I think I lost my last piece
何かが足りて無い日常に
flash light みたいな君だった so bright
未だにまだ目が痛い so blind
いつだって自信がなくて
Pretty girls 達に嫉妬して
気づいた時にはもう捻くれて
適当に生きてまた出掛けてAll right いつも通りの night
嘘みたいに綺麗な yeah
あの夜あの時間君が恋したBlue jeans 古いスニーカー
My hair was a mess 崩れたメイク
深夜1時
Blue jeans 古いスニーカー
近づいて 君は言う baby
綺麗な人だ
Blue jeans 古いスニーカーハイヒールにワンピース長い足、完璧な body
そんな子達君は横目に私のとこへ like a fantasy何度も確かめたい
「I’m not a type of girl」って言って
それでも君は笑って
『真夏の間だけでも信じて』Alright 傷付くのが怖くて
戸惑う私を少しだって気にしてくれない
私が恋した君はBlue jeans 古いスニーカー
Your hair was a mess 汗だくで
踊る君
Blue jeans 古いスニーカー
嘘でもいい そう思ってた
次いつ会える?
Blue jeans 古いスニーカー朝日が昇っても
しばらくは一緒にいて未来のことなんて
今だけは言わないでBlue jeans 古いスニーカー
My hair was a mess 崩れたメイク
深夜1時
Blue jeans 古いスニーカー近づいて 君は言う baby
綺麗な人だ
Blue jeans 古いスニーカーYour hair was a mess 汗だくで
踊る君
Blue jeans 古いスニーカー嘘でもいい そう思ってた
次いつ会える?
Blue jeans 古いスニーカー(Blue jeans 古いスニーカー)
朝日が昇っても
しばらくは一緒にいて未来のことなんて
今だけは言わないで作詞:CHANMINA
作曲:CHANMINA・Ryosuke“Dr.R”Sakai
ここからは「Blue Jeans」の歌詞をじっくりみていきたい。
主人公は、自信がもてないでいる女性。しかし、“何かが足りて無い日常”だと感じていることからどうにか脱却したいとも考えているようだ。
“Pretty girls 達に嫉妬して”や“ハイヒールにワンピース長い足、完璧な body”という容姿に関するキーワードが入っていることから、誰かとつい比べて容姿が気になってしまう多感な思春期、または“気づいた時にはもう捻くれて”とあるので、限りなく思春期に近い若者であることがうかがえる。
そんな主人公の日常を変えるのが、“君”との出会いだ。
“Your hair was a mess(訳:髪はボサボサ) 汗だくで/踊る君”をそのまま受け取るならば、“君”はダンサーになるべく夢を追いかけているのか、ダンスが好きなのか、夢中になって踊る姿からまっすぐな青年であるようだ。「Blue Jeans」冒頭の歌詞は“君”に対する主人公評だと考えると、正反対の輝く存在であると思っていることがわかるとともに、それだけ主人公にとっては鮮烈な出会いだったからとも言える。
なぜ、鮮烈な出会いなのか? それは“君”がありのままの“私”を愛してくれたから──。
“My hair was a mess(訳:髪はボサボサ) 崩れたメイク/深夜1時”は大抵の人にとって1日が終わる時間帯であることから、この時間まで仕事なのか、学業なのか、夢のための努力なのか…一生懸命に過ごしたことがわかる描写であり、そんな懸命さも含めて、主人公の本質をとらえて “綺麗な人だ”と言ってくれる“君”は主人公にとって驚きの対象だったことだろう。
驚くと同時に “何度も確かめたい/「I’m not a type of girl(訳:タイプの女の子じゃない)」って言って”と自信のもてない主人公らしく、はじめのうちは信じられないといった様子が描かれているが、相手は“それでも君は笑って/『真夏の間だけでも信じて』”と優しく言葉を尽くしたり、彼女の性格を知ってからは“戸惑う私を少しだって気にしてくれない”と少々強引に進めたりとするうちに、“私が恋した君”へと一方通行だった関係が前進する。
気づけば“次いつ会える?”と恋に前のめりになるいっぽう、“朝日が昇っても/しばらくは一緒にいて” “未来のことなんて/今だけは言わないで”では、また違った感情の動きが気にかかる。
想い合うふたり、ただただこの瞬間を大切にしたいから出た言葉なのか、もしかしたら自信のない主人公はいつか来る終わりにおびえているのかもしれない(最初にあった“『真夏の間だけでも信じて』”という言葉がこびりついているのかもしれない)…自分の心なのに、自分でコントールしがたい、恋。生まれたばかりの恋という感情に翻弄されながらも、今この瞬間を大切にしようとする瑞々しい恋心が印象深い。
では、ここまで何度となく繰り返されてきた“Blue jeans 古いスニーカー”はどういう意味があるのか。この言葉にこめられた意味を考えると、ひとつは「着飾っていない姿」の象徴であり、それはすなわち「ありのままの自分」を指す言葉ではないだろうかということ。
歌詞考察冒頭でも触れたように、主人公は自分に自信がもてないでいる女性であり、特に容姿に対してコンプレックスがあるようにも思える。そんな彼女をそのまま受け入れる“君”という存在と、主人公自らも自信のなさから脱却しようとする意味で“Blue jeans 古いスニーカー”は「ありのままの自分」を表しているように感じた。
また、今まさに想いを育んでいた“あの頃”が詰まった同曲であること、主人公の性格を考えると恥ずかしさから“君”を直視できなかったのではないかとも考えられ、踊る君を見ていたり、近くで一緒に過ごしたときは顔以外…“Blue jeans 古いスニーカー”に視線をそらしていたのではないか。鮮明に残る彼に繋がる記憶として、“Blue jeans 古いスニーカー”が用いられていると考えるとなんとも甘酸っぱい青春の1シーンである。
■JISOOとYURIの恋する表情がたまらないMV
7月14日、配信リリース当日にはMVも公開された。
本MVでは、メンバーのJISOOがライブハウスのドリンクカウンター役、YURIはダンサー役を演じるドラマ仕立てとなっており、JISOOはライブハウスに出演するバンドメンバーと、YURIはダンサー仲間との恋を描いている。
近距離で好きな相手の前だけで見せるような柔和な表情や相手を見つめる熱を帯びた視線、おでこをくっつけ微笑み合ったりするなど、キュンと胸が締めつけられるような数々のシーンを演じるふたりの名演っぷりが見ものである。
個人的にはMV冒頭(0:13~)でHANAのメンバーがダンススタジオ内でそのまま床に座って、恋バナに夢中になっているガールズトークシーンがこうやって日々いろんなコミュニケーションをとりながらグループとしての結束を深めているのだと感じるとともに、『No No Girls』時代を呼び起こさせる雰囲気にぐっときた。
また、これまでタフさや強気な姿を見せてきたHANAだが、同曲MVでは笑顏が多く、総勢16名で披露するダンスシーンも圧巻で、普段の彼女たちに近い姿で歌い踊っているのも印象的だ。
だからこそ、ふとしたときの…例えば “Alright 傷付くのが怖くて”と歌うCHIKAの切なげな表情やMAHINAの“今だけは言わないで”終わりの切望する表情が際立ち、そのギャップに引き込まれる。
■『THE FIRST TAKE』ではアコースティックver.を披露
さらに、CD発売日の7月16日には『THE FIRST TAKE』へ再登場を果たし、新曲「Blue Jeans」をオールアコースティックバージョンで披露。
MOMOKA、MAHINA、NAOKO、YURI、CHIKA、JISOO、KOHARUの順に登場し、マイクの前に立つHANA。
YURIが「『Blue Jeans』は何も着飾らないで、何気ない日常を過ごしていた子が急に恋に落ちて、世界が目まぐるしく変わっていく様子を表現した、切なくて甘酸っぱいラブソングです」と紹介すると、「恋」「ラブソング」というキーワードに盛り上がるメンバーたち。
MAHINAとMOMOKAは手でハートを作ってみせ、JISOOは控えめな拍手をし、KOHARUとCHIKAは照れ笑いのようなかわいい笑顏を見せ、NAOKOはYURIの隣で「うんうん」と相槌をうった。
KOHARUは「みんなの繊細な歌声が、より際立って今日はお届けできるかなって思います。愛しい人を思い浮かべながら…」と続けると、「じゃ、メンバーのみんなを」とすかさず答えるJISOO。
ギターに合わせ、ハミングするKOHARU。ゆったりとした始まりは夏の日暮れのような涼やかな印象を与える。『THE FIRST TAKE』バージョンでは、各メンバーがアイコンタクトをとりながら繊細なハーモニーを響かせ、その美しさにより胸を締めつけられる。
こちらは“夏が来るたび思い出す、忘れられない大切なあのときの恋”のようで、原曲よりもいっそうノスタルジーな雰囲気が染み入る仕上がりとなっている。
「Blue Jeans」を歌い終えると、楽曲の世界観にどっぷりのめり込んだHANAのメンバーは心を撃ち抜かれたようで、次々に撃沈。その場でヘナヘナとしゃがんでいく姿がかわいらしいので、最後までしっかり見届けてほしい。
■HONEYsの心に寄り添う大切な一曲
己に向けた強いメッセージで、自身を鼓舞するとともにHONEYs(※HANAのファンネーム)にエネルギーを注いできたHANA。
「Blue Jeans」はこれまで発表してきた楽曲とはまた違った毛色ではあるものの、ありのままの姿を認めること、芽生えた気持ちに寄り添い大切にすること、誰かを想う気持ちはかけがえのない経験であり自分にとって心を豊かにしてくれる財産であることと、気づきの多い一曲である。
HANAのあらたな一面と出会えた曲であるとともに、HONEYsにとっても大切な一曲としてこれから愛されていくに違いない。
TEXT BY ジャガー
▼HANA 最新情報をチェック
https://www.thefirsttimes.jp/keywords/1607/
■独占写真:HANA『THE FIRST TAKE』集合ショット
■リリース情報
【配信】2025.07.14 ON SALE
【CD】2025.07.16 ON SALE
SINGLE「Blue Jeans」
Download & Streaming
https://hana-brave.lnk.to/BlueJeans




