THE F1RST TIMES

INTERVIEW

2022.04.09

アニソンを歌う心構えは? Tani Yuukiが憧れる、オーイシマサヨシとの対談

現在「W/X/Y」がSNSで大きな反響を呼び、デビュー曲「Myra」に続いてロングヒットを記録中のシンガーソングライター・Tani Yuukiとアニメソングを数多く手がけるオーイシマサヨシの対談が実現。

実は、Tani Yuukiにとってオーイシマサヨシは憧れの存在のひとりなのだという。

ふたりはこれが初対面。アニメソングを歌う時の心構え、シンガーソングライターとしての言葉へのこだわりなど、世代や活動領域は違えど、互いに通じ合う部分が多くあるクロストークとなった。

INTERVIEW & TEXT BY 柴 那典
PHOTO BY 山内洋枝(PROGRESS-M)
HAIR & MAKE UP BY 瓜本美鈴(オーイシマサヨシ担当)/ 坂田佳子(Tani Yuuki担当)

■こんなふうに演奏しながら歌えるんだってめちゃくちゃ衝撃だった

──Tani Yuukiさんがオーイシマサヨシさんに憧れがあるということで、この対談が実現しました。

Tani Yuuki:今日はいろいろ学ばせていただければと思います。

オーイシマサヨシ:話の入口から気持ちいいじゃないですか(笑)。こちらこそよろしくお願いします。

──まずTaniさんはどういうところからオーイシさんを知ったのでしょうか?

Tani:5年くらい前にYouTubeで「君じゃなきゃダメみたい」のライブ動画を観たのがきっかけです。その時はスラップ奏法に憧れていたので、こんなふうに演奏しながら歌えるんだってめちゃくちゃ衝撃だったんですよね。

オーイシ:うれしい! 僕がオーイシマサヨシとしてデビューしてすぐくらいですね。

──オーイシさんは下の世代からそんなふうに言われることは多いですか?

オーイシ:僕、後輩からあまり慕われないアーティストなんですよ(笑)。だから、こんなふうに「憧れてます」とか、「オーイシさんみたいに弾きたいです」とか、ちゃんとアーティストさんに面と向かって言われるのも初めてに近いくらいで。めちゃくちゃうれしいです。それはTaniくんが元々アコースティックギターで弾き語りをしてたから、余計に響いたっていうことなんですか?

Tani:そうですね。アコギを弾くにしてもストロークかアルペジオしかやってなくて。でも、スラップ奏法もちょっと練習したんですけど…挫折しました。

オーイシ:たしかにコツを掴むまでは大変かも。

Tani:スラップ奏法で歌っているのは最初からなんですか?

オーイシ:僕は21歳の時にSound Scheduleという3ピースバンドでデビューして、その時はエレキギターを弾いていて。

そこから6年後に大石昌良としてソロデビューをするんですけど、その時にはピックを持ってストロークで弾き語るスタイルでやってたんです。

でも、ある時ふと気づいたんだけど、僕のライブを観に来てくれるお客さんはバンドの面影を追ってる方がほとんどで(※Sound Scheduleは2006年に解散。その後、2011年に再結成)。

「ドラムの川原(洋二)くんいないんだ」「ベースの沖(裕志)くんいないんだ」とか、寂しそうな目線が気になったので、じゃあアコースティックギターでアンサンブルも全部やっちゃおうというので、スラップ奏法とか、スラム奏法というボディを叩いてリズムを出す弾き語りのスタイルをやり始めた感じでした。

それが今から10年くらい前、30歳を過ぎたくらいの時だったんですよね。

──オーイシさんがTaniさんのことを知ったきっかけと第一印象も教えていただけますか。

オーイシ:僕も他の人と同じようにTikTokで「めっちゃ良い曲が流れてきたな」というところから知った感じです。僕もTikTokをよく見てるんですけど、現代の音楽の申し子みたいな方だなと思ってました。

@yu___09___11

知らない方がいいことってあるよね。#Myra#歌ってみた#弾き語り男子#オリジナル#ラブソング#TaniYuuki#WHITEBOX #オリジナルネタ募集中 tiktokでゲーム中 #キッチンペーパーチャレンジ #いきなりドッキリ

♬ Myra – Tani Yuuki

だから逆に僕は聞きたいです。ああいうのって偶発的なものなのか、TikTokで売れてやろうと思って投稿したわけではないのか、「どうやって TikTok使うの?」って。

Tani:もちろんハネてほしいみたいな気持ちはあったんですけど、「Myra」が伸びなかったら、伸びるまでオリジナル曲の投稿を続けてくつもりだったんです。

ただ、僕もSNSがめちゃくちゃ得意なわけじゃなくて。SNSって投稿にハッシュタグ付けるじゃないですか。でも僕は付け方が全然わからなくて。

オーイシ:そんな感じだったんだ。

Tani:そうだったんです。全然できなくて、あだ名が「おじいちゃん」でした(笑)。

──「Myra」投稿時のTaniさんは21歳なので、オーイシさんがSound Scheduleでデビューした時と同じ年齢なんですよね。

オーイシ:そうですね。僕も21歳でデビューしたので、だいたい同じ年齢の頃に音楽業界に足を突っ込んでいるということですね。

■いろんな人、いろんなコンテンツに助けられながら、なんとか20年くらいをやってる

──オーイシさんはその頃どんなふうに将来像を考えてましたか?

オーイシ:僕は安泰だと思ってました(笑)。僕らの時代は“誰が第二のMr.Childrenになるか”というのをバンド同士で競いあってたようなところがあったんです。今よりもデビューの敷居が高かったので、デビューできたことでもう成功したつもりになっていて。

だから生意気だったし、すごい自慢もしてたし、身内(スタッフ)を顎で使ってた感じもあり…振り返ってみたらその時は黒歴史でしかなかったと思います。そういう経験があったからこそ今は改心しているんですけど(笑)。

オーイシマサヨシ

Tani:そんな過去があったんですね!

オーイシ:でも、実際はデビューというのはひとつのスタートラインでしかなくて、バンドも安泰でなく、解散してからはアルバイトをしながらアーティスト活動してましたね。

アニメソングを歌うようになって、ようやくまた地に足つけて音楽をできるようになりましたが。いろんな人、いろんなコンテンツに助けられながら、なんとか20年くらいをやってる感じですね。

──Taniさんの将来像というか、この先にアーティストとしてこんなふうにやってきたいという考えはありますか?

Tani:まずライブの面で言うと、オーイシさんみたいに長く続けて、もっとステージを大きくして、たくさんのお客さんに届けるというスタイルに持って行きたいです。曲を作る方法だと、僕はエンジニア気質があるというか。

オーイシ:そうだよね。自分でやってるもんね。

Tani:ライブしつつも、プロデュースだったり、誰かに楽曲を書いたり…それこそオーイシさんがりりあ。さんとやられてた「神或アルゴリズム」みたいなフィーチャリングみたいなことも今後どんどんやっていけるようなアーティストになりたいというのがあります。あと、アニメが好きなんですよ。

オーイシ:そうなの!?

Tani:そうなんです。『ドラゴン、家を買う。』も観てました。

オーイシ:僕がオープニング曲の「ロールプレイング」を歌ってたアニメだ。

Tani:そうなんです。なので、アニメのオープニングを飾れるようなアーティストになりたいというのは強い目標としてあります。

■フィクションの世界でも“嘘をつかない”というのが僕のポリシー

──なるほど。そういう面でもオーイシさんへの憧れがあるわけですね。

Tani:なので、アニソンのルールとか、そういうところについても今回は聞きたいところではあるんですけど。

オーイシ:たしかにはありますよね。89秒で作らないといけないとか、その中で作品の世界観を体現しなきゃいけないとか。

Tani:オーイシさんの曲って、そこにめちゃくちゃ寄り添いまくってるじゃないですか。

オーイシ:いやいや、毎回必死です。一生懸命やるものの、リテイクもよく来るので。一回書いて、すぐにオッケーみたいなほうが珍しいですね。

──実際、アニメの主題歌を書く時にはどういう心構えがあるのでしょうか。

オーイシ:やっぱりこれは愛でしかなくて。僕はアニソンを書く時に、必ずそのアニメとか原作のファンになってから曲を書き始めるんです。

つまり、ファンになるまで原作を読み込んだり、自分の周りに原作のファンの方がいらっしゃったら、この作品の良さはどういうものなのかをインタビューしたりとか、Twitterでどういうファン層がいるのかリサーチをかけたり、自分の足でアニメイトに行ったり、めちゃくちゃ調べるタイプですね。

アニメの監督さんにお会いして、どういう曲が良いかというのをたくさん聞く場合もあって、そこから書き始めるみたいなやり方もしてます。だから、一曲に対するカロリーの消費の仕方が結構高いんです。

Tani:なるほど。そうなんですね。

オーイシ:シンガーソングライターとしては自分の世界観があって、自分の中のメッセージを曲にすることが多いと思うんだけど、アニソンは作品の持っている世界とかメッセージを抽出して楽曲にまとめるような、作品ありきの楽曲作りというものが大事になってくる。

シンガーソングライターとしての自分主導の書き方とはまたちょっと変わってくるかもしれないですね。ドラマともまた違う。もっとデフォルメされてて、濃口なんですよ。

Tani:ドラマとも違うんですか?

オーイシ:ドラマだと、主題歌の上にセリフが乗ってエンディングに流れ込むみたいなパターンがよくあって。作品を象徴するものというところは変わらないんだけど、薄味でもわりと世界にマッチするんです。

それに比べて、アニメは濃口じゃないとマッチしない。89秒の中で世界観を伝えきらないとアニメ自体に負けちゃうという時があったりする。だからクセの強い曲、個性的な曲が多い気がします。

Tani:そうなんですね。でも、その中にオーイシさんらしさをちゃんと出してますよね?

オーイシ:アニメの世界観がフィクションだからアニメソングもフィクションの世界を書くわけだけど、それでも“嘘をつかない”というのが僕のポリシーなんです。例えば、『ドラゴン、家を買う。』はドラゴンが家を探すという設定で、リアルとは違う世界の物語だけど、“安住の地を求める”ということ自体は僕らのようなリアルに生きてる人間とも同じだと思って。

白金に住むとか、広尾に住むとか、田園調布に住むとか、そういう住む場所よりも実は一緒に住む人や環境が大事なんじゃないかなっていう。そういうところからアニメの世界観と自分のリアリティと照らし合わせて楽曲を書くという意味での“嘘をつかない”。

■長く活動していく人は誰かの物語に本当に純粋な涙を流せる人

──Taniさんもアニメに感化されて曲を書いたことはありますか?

Tani:あります。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』というアニメを観て、感化されて「FREYA」という曲を作りました。それは主人公のヴァイオレット・エヴァーガーデンじゃなく、ギルベルト・ブーゲンビリア少佐の目線の曲を作ろうと思ったんです。

オーイシ:それってインスパイアソングと言われるものだよね。映画やアニメを観て、そこからきっかけをもらって曲を書くというのは、すごく大事だと思います。シンガーソングライターって、曲を書くきっかけのアンテナをずっと張ってるじゃないですか。

でも、日常生活の中で、ボーっと過ごしてたら曲にできるような題材なんてなかなかない。自分の日常を切り取って歌をうたうと、重くなっちゃったりして、しんどいんですよね。

Tani:わかります。

オーイシ:身を削ってるというか、心を削ってる感じがあって。そういうシンガーソングライターって短命だったりもするんですけど…。

Tani:えー! 早死にするんですか!?

オーイシ:アーティスト生命という意味でね(笑)。天才と呼ばれたけど、2〜3年しか活動できなかった方や、すごく濃く、しかも華やかに火花を散らして消えていってしまう方を僕は見てきたりしたので。

長く活動していく人は誰かの物語に本当に純粋な涙を流せる人なんですよね。映画とかアニメを観て「こういう曲を書きたいな」「この視点が良いな」とか、感動して涙を流して、それで歌を書ける。

それは誰かの物語だけども、泣いたことは嘘じゃないから、自分の物語でもある。そういうことを本気でできる人は、僕はすごいなと思うし、大人だなと思います。それって作家的なんですよ。

Tani:今ちょっとウルッときました。

■言葉がメロディに恋をしている楽曲は素晴らしい

──Taniさんはご自身の実体験をもとに歌詞を書いているのですか?

Tani:ドキュメントは書かないんですよ。でも、さっきオーイシさんが「嘘を書きたくない」とおっしゃってたのと似たようなことは思っています。

歌詞を書いて歌う時に、自分の口から出る時にちょっとでも嘘があると重さが変わるような気がするので、僕は基本的には自分の実体験の曲か、それを元にして派生した物語を書きますね。

僕の音楽の根源のエネルギーになってるのはネガティブな感情であることが多いので、曲に向き合ってる時は自分に対峙してる時間でもあるからめちゃくちゃしんどくて。

Tani Yuuki

オーイシ:でも、すべてドキュメントを切り売りしているわけではなくて、ちゃんと曲作りというフィルターを通してドキュメントを反映させてるから、傷つきすぎない感じはあるよね。

Tani:本当ですか? だったら、うまくやれてるのかもしれないです。

オーイシ:ちゃんと憂いを持つ言葉を知ってる人じゃないと、人の心には到達しないって、よく言ったりするよね。だから、ネガティブであることも絶対大事だと思う。それも曲に表れてるなと思います。

──オーイシさんはTaniさんの曲を聴いて、どんなところがポイントだと感じました?

オーイシ:やっぱり時代の申し子だなって思います。作詞も作曲もアレンジも全部DIYで部屋の中で完結して、そこからいろんな形で世界に発信できるのもそうだし、コードワークも今っぽいなって思うんですよ。

サビにループコードが多いじゃないですか。ずっとループしてるコードだから安心感があるんだけど、新しいメロディとか言葉が畳みかけるように出てきて、聴いている人たちが飽きない。あとは言葉の使い方がめっちゃ上手ですよね。

Tani:うれしいです!

オーイシ:メッセージ性とライムの共存って、めっちゃむずいんですよ。それを高レベルでやってると思っていて。むしろ聞きたかったんですけど、どれくらい曲作りに時間かかってるのかなって。これマジで10分や20分で書いてたら、今日はもう帰ろうかな、と(笑)。

Tani:(笑)。結構バラバラなんですけど、例えば「Myra」はアレンジも含めて1ヵ月くらいかかりました。いちばん時間がかかったのは、やっぱり歌詞ですね。依頼された楽曲だと、時間がない場合もあるので1週間で書くようなこともあって。制作期間はだいたい1週間から1ヵ月という感じですね。

オーイシ:僕は「言葉がメロディに恋をしている楽曲は素晴らしい」とよく言ってるんですけど。言葉とメロディのシンクロ率というか、「この言葉にはこのメロディしかないだろう」っていうのって感覚的にあるじゃないですか。シンガーソングライターだけじゃなくて、誰しも持ってると思うんです。“ここにはこの言葉しかない”みたいのって、みんな感覚的にわかっちゃう。

それは言語化できないことなんだけど、この位置で決まってるっていうのを「言葉がメロディに恋をしている」って言うんです。そうなっていないと、説明口調の文章みたいになってしまったりする。Taniくんは言葉とメロディが合致してるものを作るのがめちゃくちゃ上手い。それがシンガーソングライターとしての強みだなと思いますね。

Tani:ありがとうございます。

■「どういう生き方したらこんなこと書けるんだろう」

オーイシ:僕からTaniくんに聞きたいのは、どういう音楽に影響を受けて、今の自分がある感じなんですか? リスペクトしているアーティストにどんな人がいるのか、思いつく範囲で聞きたいと思うんですけど。

Tani:最初に好きだったのは、母の影響で絢香さんやゆずです。アコースティックギターを弾き始めたのはそこからなんですけど、高校生でRADWIMPSの音楽に出会って、SEKAI NO OWARIやいろんなバンドを聴いてたんで、そのエッセンスはあると思うんですけど、楽曲面ではRADWIMPS・野田洋次郎さんの影響が強いと思います。

オーイシ:そうなんだ。たしかにRADWIMPSの影響はすごい感じる。韻の踏み方とか、コードの中での言葉への音符の付け方、16分音符とか三連符のとり方とか、そういうのも野田洋次郎くんっぽいなという感じはある。

メッセージの芯がはっきりしているし、何が伝えたいかというのもわかるよね。僕、オチのある曲が大好きだから、そういうところも感じてた。

──RADWIMPSの曲で特に影響を受けたものはありますか?

Tani:歌詞の面で特に影響された曲、好きな曲は「やどかり」と「Tummy」という曲ですね。韻を踏んでいるところとか、歌詞の視点がすごく好きで。

「やどかり」は最初に“オナラが恥ずかしくなったのは いつからだろう”って疑問を投げかけるんですけれど、そこから“そうやって手に入れたものもすべて 結局持ってなど逝けないのに”と歌う。そういう曲を聴いた時に「どういう生き方したらこんなこと書けるんだろう」と思いました。

オーイシ:野田くんの歌詞の書き方って前提があるじゃないですか。頭に投げかけがあって、そこからフラグや伏線を回収していくみたいな。ああいう書き方は素敵だよね。Taniくんもそういうところに影響を受けているんですか?

Tani:受けていますね。でも、あれは頭が良いから書けるんだなって(笑)。

オーイシ:いや、Taniくんも頭良いよ。例えば、「W/X/Y」の歌い出しの“垂れ流したテレビの音”とか、切り口がすごく文学的だと思う。ふたりが一緒の部屋にいるんだっていうのが、説明じゃなくてビジョンで広がる。そういうのは上手だなと思ったりするよ。

Tani:学生の時から文章を書くのも小説を読むのも好きだったので、そういうところは野田さんのエッセンスと相まって出てきているのかもしれないです。

あと、僕は「W/X/Y」で細胞について書いてるんですけど、それがRADWIMPS「25コ目の染色体」という曲にインスパイアされてるんじゃないかって書かれている文章があって。全然意識してなかったんですけれど、それを見て「本当だ!」って気づいたんですよ。

オーイシ:自分では気づかないくらい血肉になっているっていうのは、それこそ遺伝子になってるってことだね。

■芯になるものはあまり変わってない

──おふたりは曲を作っていて、これで完成だ! と決めるラインはどこにあるんでしょう?

オーイシ:僕は明確にあるんですよ。僕はアニソンを作ることが多いので、89秒のテレビサイズで提出することが基本フォーマットになっていて。スピリチュアルな話かもしれないですけど、「出来た!」と思う時は、歌詞をプリントアウトした紙が明らかに輝いてるんですね(笑)。

アンミカさん曰く、白って200種類あるらしいんですけど、その200種類の白の中で一番白い紙で出てきてる感じがあって。これ以上やれることはないという充実感とか、やり切った感みたいなものが、そう見せてるんだと思います。

そうやってゴールにたどり着いたという感覚は毎回ありますね。そこまで詰めたらだいたいOKが出たりするので、感覚的には間違ってないと思うんだけど。

Tani:おお!

オーイシ:でも、ひとりでずっと孤独に作り続けてたら、迷路に迷い込むこともありますね。出口がわかんなくなったりとか、曲の完成が見えなくなっちゃったりとか。

Tani:ありますね。僕の場合は携帯のメモに歌詞を書くんですけど、自分の中で引っかかってる箇所が残るんですよ。そこがなくなったら完成ですね。

オーイシ:わかる。すげえわかる。「ここは絶対ダメ!」というのが明らかにわかってると、そこの文字の色が変わって見えるくらいなんだよね。

Tani:そうなんです。黒くボヤボヤってなるような感じです。

オーイシ:それ、めっちゃわかるわ。

Tani:良かった。この感覚、なかなか共有できないんですよね。

──引っかかる部分というのはメロディというより言葉なんですね。

オーイシ・Tani:言葉ですね。

オーイシ:今、二人とも共通してたね(笑)。メロディの正解は、フェイクとかもあるし、曲が育っていくうちにライブで変わっていったりとかもするので。

Tani:もちろん許容範囲もあるんですけど、メロディに言葉がガチッとはまらないと、ずっと嫌なモヤモヤが残るんです。

オーイシ:そうだよね。そういう時に「そろそろ締め切りなので、お願いします」って急かされても、絶対違うのがわかってるから「もう少し書かせてください」みたいに粘ったりしたりする。

Tani:わかってるのに出しちゃうのは嫌ですよね。

オーイシ:それがそのまま世の中に出た時に、ずっと間違った歌詞を歌ってるような感覚になっちゃうから。だから正解を引き当てるまでやっちゃうよね。

Tani:めちゃくちゃうれしいです。最初に「嘘をつきたくない」という話を聞いた時から「わかる!」と思ってました。

オーイシ:このあと、お酒飲みながら5時間ぐらい話したいね(笑)。今確信に繋がったんですけど、やっぱりシンガーソングライターの心のあり方っていつの時代も変わらないんだなって思います。

僕がデビューした当時はCDだったものが今サブスクになってるとか、テレビのCMだったのがTikTokやSNSになって拡散されるようになってたりとか、そういう売り方とか世への出ていき方が変わってるだけで、芯になるものはあまり変わってないんだなって。それはすごく安心しました。


リリース情報

■Tani Yuuki
DIGITAL:2021.12.08 ON SALE
CD:2022.04.06 ON SALE
ALBUM『Memories』

■オーイシマサヨシ
DIGITAL:2022.04.09 ON SALE
CD:2022.06.01 ON SALE
SINGLE「恋はエクスプロージョン (feat.田村ゆかり)」


ライブ情報

■Tani Yuuki
Tani Yuuki presents LIVE“LOTUS”
04/23(土)東京・Spotify O-WEST
w)映秀。/ おいしくるメロンパン

05/20(金)東京・Spotify O-WEST
w)Anly / meiyo

06/24(金)東京・代官山UNIT
07/29(金)東京・Spotify O-WEST

eplus.jp/live-lotus/

■オーイシマサヨシ
オーイシマサヨシ Zeppワンマンツアー2022
05/06(金)大阪・Zepp Namba
06/09(木)愛知・Zepp Nagoya
06/17(金)神奈川・KT Zepp Yokohama

https://www.014014.jp/#schedule


プロフィール

Tani Yuuki

タニユウキ/1998年11月9日生まれ、神奈川県・茅ヶ崎出身。作詞作曲、編曲、サウンドメイクを自身で行ない、ギターのみならずピアノも弾く。デジタルネイティブ世代が注目するシンガーソングライター。TikTokやYouTubeを中心に2015年8月から活動をスタート。2020年5月、 TikTokやYouTubeへ投稿した「Myra」がティーンから多くの支持を集め、自身初となった配信音源はストリーミング再生累計が1億を突破する大ヒットとなった。

Tani Yuuki OFFICIAL YouTube
https://youtube.com/channel/UCkPhQEwdob-Dc539qnJASvg

オーイシマサヨシ

愛媛県宇和島市出身、1980年1月5日生まれ。2001年、Sound Scheduleのボーカル&ギターとしてメジャーデビューして以来、音楽家として数々の作品を残す。2008年には大石昌良としてソロデビュー。2014年にアニメ・ゲームコンテンツ向けにオーイシマサヨシ名義での活動も始動。また、デジタルロックユニット・OxT(オクト)としても活動中。作家としては2017年に作詞作編曲を担当したTVアニメ『けものフレンズ』のオープニング主題歌「ようこそジャパリパークへ」が大ヒット。

大石昌良 / オーイシマサヨシ OFFICIAL SITE
https://www.014014.jp/