THE F1RST TIMES

INTERVIEW

2022.04.27

SUPER BEAVERが語る、ライブ映像作品に秘められた、“チームとしての成長”と“変化の集大成”

SUPER BEAVERがバンド史上最大規模となる3都市6公演に及ぶアリーナ・ツアー『都会のラクダSP~愛の大砲、二夜連続~』を開催。そのツアー・ファイナルとなった、さいたまスーパーアリーナ公演(2021年11月7日)を収めたライブBlu-ray&DVD『LIVE VIDEO 5 Tokai No Rakuda Special at さいたまスーパーアリーナ』が遂にリリース! 筆者も会場で実際のライブを観たけれど、今回の映像はライブの臨場感はもちろん、ディテールまでこだわり抜いたカメラ・ワークも素晴らしく、過去最高の出来栄えと言っていいだろう。興奮収まらない中で、メンバー4人に話を聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 荒金良介
PHOTO BY 関信行

■映像ならではの面白さを考えて、作ってくれた

──今回のライブ映像作品はクオリティが高くて、見応え十分でした! ある意味、実際のライブ以上にライブ感が伝わってくると同時に、まるで映画のようなきめ細かなコマ割りも素晴らしく、作品として非常に完成度が高いものに仕上がりましたね。

渋谷龍太(以下、渋谷):映像チームも自分たちと関わる時間が長くなり、どういう風にバンドを抜いたらかっこ良くなるのか理解していただけて。映像ならではの面白さを考えて、作ってくれたことも伝わってきましたからね。フロアから見た景色とはまた違う絵というか、あの場所で体験した方も、そうでない方もひとつの作品として楽しんでもらえるんじゃないかと。ラフが上がってきた段階で、あまり言うことがなかったし、自分たちも素敵な作品ができたなと思います。

──あの日は生放送も入っていたし、DVD化されることも念頭にあったと思います。バンド的にこういう作品にしたいというビジョンはありました?

柳沢亮太(以下、柳沢):あくまでも僕らは目の前にいる観客に向けてライブをしていて、それが生中継で届けられている感覚なんです。正直、こういうDVDになったらいいな、というのはそこまで考えてなくて。楽曲によってすごくテンポ良くカットが変わるので、自分たちで観ても“かっこいい!”と思いましたからね。2020年以降は無観客配信もあり、映像と向き合う機会も増えたので、これまで以上にカメラを意識したところはあります。

──ええ、目の前の観客だけではなく、カメラも意識したバンドの魅せ方にも気を配っていて、全方位に神経を研ぎ澄ましたパフォーマンスでした。

柳沢:うん、カメラがあるのは頭のどこかにあったし、撮ってくださる方もここ1年半、2年は同じチームでやってますからね。お互いに噛み合ってきた部分が映像にも出ているんじゃないかと。

──ライブの臨場感はもちろん、映像的にも目が離せない作りです。では、メンバー自身も完成した映像を観て、ビックリしたところも?

上杉研太(以下、上杉):すごくいいものができたなと思いました。ライブハウス、ホール、アリーナツアーとやって、1年間を通して作り上げたライブのクオリティが映像にも表れていましたからね。自分でもゾワッ!とする瞬間を映像から感じました。自分たちがステージでいいものを魅せるのは当然で、それ以外のところも噛み合わないと、今回の映像にはならないから。

■ライヴ中にお客さんの反応を受けて、自分たちの表情も変わる

──チームSUPER BEAVERの総決算とも言える映像ですよね。あと、全編通して、メンバー4人が最高にいい表情を浮かべていて、何よりも感情が伝わってくる映像でした。特に上杉さんはグチャグチャの表情を頻繁に抜かれてましたよね?

全員:ははははは。

上杉:そういうのがいいライブなのかなと。

柳沢:それは観に来てくれる人がいることがでかいですよね。自分たちのライブ映像を観ていいなと思うのは、要所要所で観てくれる人の表情や身振り手振りに寄った映像も入っているんですよ。で、ライブ中にお客さんの反応を受けて、自分たちの表情も変わるし、それもライブならではの醍醐味だから。何もない空間でやっているときでは起こり得ない感情の変化はありますからね。

渋谷龍太(Vo)

■人が対峙してくれる状況がいかに尊いことかがわかりました

──「愛しい」の後に渋谷さんは「会うことの大事さの方が尊い」というMCをしていて、2020年12月に横浜アリーナで無観客配信をやりましたよね。僕も会場に行きましたが、あのひんやりとした空気がいまだに忘れられなくて。それを経て、今回のさいたまスーパーアリーナではたくさんのお客さんに見守られてライブをやりました。SUPER BEAVERもさいたまスーパーアリーナではお客さんに引き出されて、あの歓喜の表情に繋がっているんだなと。

渋谷:少なくともあのとき(横浜アリーナ)の景色は絶対に忘れないですね。トラウマまではいかないけど、自分の中で刻まれたものだから。バンド結成当初でも経験したことがなかったし。フロアに人が少ない状況は何百回と経験してますが、誰もいないのは経験したことがなかったから。あれを経験したからこそ、自分たちがオンステージして、人が対峙してくれる状況がいかに尊いことかがわかりましたからね。今となっては、あって良かった経験だなと思います。

柳沢亮太(Gu)

──映像の内容についてですが、まずオープニングから惹きつけられました。ほんの数分観ただけで、このライブはヤバそう!と思わせるワクワクさせる始まりです。藤原さんのドラムから始まり、スクリーンにドラム音の波形が映し出されたり。また、お立ち台が金網状になっており、メンバーを下から映す映像もあり、まるで映画を観ているようなかっこ良さでした。

柳沢:たしかに。足元からライトを照らしたらいいんじゃないかと思い、そこは映像だけを考えたわけではなかったんですよ。お立ち台に乗るときは下が見えるから、慣れるまでに時間はかかりましたけどね(笑)。それで独特な絵が撮れたと思うし、真上からもあったよね?

──天井からメンバーを捉えた映像もありました。

上杉:カメラはすごくいっぱいあった気がする(笑)。

柳沢:いろんな角度から撮ってくれて、そこも考えてくれたんだなと。

■1曲目の「ハイライト」に入るうえで高揚感みたいなものを作れた

──オープニングに関してはメンバー内で話し合ったんですか?

柳沢:めちゃくちゃ話しました。

上杉:時間をかけたもんね。

藤原“33才”広明(以下、藤原):最初は僕から始まることも決まってなかったんですよ。何度かそこは練り直しました。あのオープニングがあるからこそ、言ってもらったように、ライブが始まる前のドキドキを演出できたんじゃないかと。

柳沢:オープニングを楽器陣だけで作ろうと思ったときに、もうちょっとアグレッシヴなアイデアもあったんですよ。その話にぶーやん(渋谷)が合流して、こういうイメージはどう?みたいな。そこからまた作り直して、あのツアーに合ったオープニングになったし、1曲目の「ハイライト」に入るうえで高揚感みたいなものを作れましたからね。

上杉研太(Ba)

──もうひとつの驚きは中盤に披露された「mob」で、これもライブで大化けした楽曲ですね。ステージ上の炎も曲調にとてもマッチしていました。 

柳沢:「mob」をここでやったらいいんじゃないかという話があり、それに対して、火を出すような演出はどう?って。

──意外とSUPER BEAVERはそういう演出をやってこなかったバンドですよね?

渋谷:ないですね。

──楽曲が派手な演出を呼んだところもあるんでしょうね。あと、赤い照明をバックに上杉さんが影絵状態でベース・ソロを弾き、「正攻法」に移る流れも最高にかっこ良かったです!

上杉:あれはアリーナ・ツアーの途中でできたものなんですよ。あのセクションを挟んで、「正攻法」に入った方がかっこいいんじゃないかと。それがハマッて、さいたまスーパーアリーナでもやることになりました。

──バンド的にここは絶対に見逃さないでほしいと思うポイントはありますか?

渋谷:「mob」をあの位置に持って来て、演出込みでああいうことができたのは、これまでの映像作品と差別化できたので良かったなと。もともと「mob」はMC後にやる予定はなかったんですよ。

■MCから温度感をあまり変えずにヌルッと次の曲を始める

──そうなんですね。

渋谷:MCの後は勢いよくバーンと曲に入ることが多かったけど、MCから温度感をあまり変えずにヌルッと次の曲を始めるという。それによって、オープニングも活きたし、その後の流れも活きるだろうなと。こういう流れが作れたのは、自分たちの活動の中で結構大きいことじゃないかと。ライブの真ん中辺りはいちばん流れちゃうところなんですよ。そこで印象をひとつ残すことで、ライブ全体の印象も変わるから。はっきりとあそこで段落分けができたから、全体が引き締まったなと。

──柳沢さんはどうですか?

柳沢:今の話の流れでライブの組み方で言えば、3曲目に「27」が来るのはSUPER BEAVERとして新しいんじゃないかと。あそこで、このライブが濃いものであるという感覚が生まれたと思うから。冒頭の2曲(「ハイライト」、「突破口」)を終えて、あそこで一度切っても良かったんだけど、3曲目に「27」が来たことで深みを出せたなと。アリーナ・ツアー以外にもライブハウスを回るツアーもやって、各地でここが良かったなと思うことをセットリストにも反映できたことが大きいですね。

藤原“33才”広明(Dr)

■ファイナルはチームを含めて、気持ちを込めて演奏できた

──3曲目「27」で最初のクライマックスが訪れて、その後に何度も大きな山が来る起伏溢れるライブ構成になっています。では、藤原さんは?

藤原:どこを切り取っても良かったな、と思いますね。ライブに来てくださった方と対峙して、ライブをやれたことが次の作品や活動にも影響してくるから。ツアーもこの規模になると、4人が最高だったら最高!というレベルではなく、チームで動いてますからね。みんなで少しずつ内容を変更して、成長していくものだから。今回のファイナルはチームを含めて、気持ちを込めて演奏できました。演奏し終えて、いいツアー、いいファイナルだったなと実感できましたね。

──上杉さんは? 

上杉:単純に「らしさ」、「愛しい人」はいい曲だなと思えたし、アリーナで映える曲だなと。

──「愛しい人」ではスクリーンに歌詞が流れましたよね。

上杉:あれもツアー途中から歌詞を出す流れになったんですよ。

渋谷:マネージャーが言ってくれたんですよ。「歌詞を出したらグッと来ると思うんですが、どうですか?」って。たしかに!って。アリーナ規模のツアーはほぼ初めての経験なので、自分たち以外の俯瞰で観てくれる人の意見も取り入れようと。ライブが終わるたびにチームで意見を出し合って、次のライブで試せるのがツアーのいいところだなと。今回収められたさいたまスーパーアリーナに到るまでのライブ5本分も映像も落とし込めました。このファイナルは変化の集大成ですからね。

──そして、「名前を呼ぶよ」、「東京流星群」の流れも後半の大きな見所です。特に後者ではバンドと観客が一体となった高揚感が素晴らしくて。 

柳沢:ライブで育ってきた曲だし、リリースは2013年ですからね。つい最近までMVもなかった曲だから。新曲たちに囲まれつつ、この曲はこの曲なりの力があるなと。

■根底にあるものは変わらない

──全編通して、改めてSUPER BEAVERって泥臭いバンドだなと思ったんですよ。「東京流星群」を演奏後、上杉さんが「生きてるうえでの最前線」と言われてましたが、まさにそんなガムシャラのパフォーマンスにもシビれました。

上杉:それがこのバンドの根底にある気がしますね。個人的にもバンド的にも、ステージがどんなに大きくなろうとも、根底にあるものは変わらないのかなと。

──ドキュメント映像の中で渋谷さんが「楽しむことをおそろかにしない」と言われてました。あの発言はどんな気持ちから?

渋谷:多くの人を前にすると、ヘンな話ですけど、サービス精神が出てくるんですよ。ともすれば支配されちゃいそうな危険な感覚があり…勘違いして近くに置いてしまうと、蝕まれてしまうんですよね。

──自分たちの足元をすくわれてしまう?

渋谷:ええとね、より渡せたほうがうまくいくだろうという感覚になるんですけど、それはまやかしなんですよ。それを続けてしまうと、自分が楽しくなくなる。誰かのためだけにやることになっちゃいますからね。その塩梅を2、3年前からすごく考えていて。あくまでも、それぞれが楽しんでいる状態がいちばんピュアだと思うから。その塩梅に気が付けるかどうか…それを自分で見極めなきゃいけないなと。

──今回のアリーナツアーではその塩梅もうまくいったと?

渋谷:そうですね。今は安定しているし、ここ1年はそういう感じだと思います。なかなか形容し難い感覚ですけど…全員が楽しいほうが絶対いいでしょ!という気持ちがあるし。そこがいちばん難しいと思うので、そこはおろそかにしたくないなと。

■いい意味で必死だから、生きている実感がありますね

──わかりました。最後に今年もホール、ライブハウス、アリーナ・ツアーとスケジュールはびっしり詰まってます。現段階でホール・ツアー5本目を終えたところですが、感触はいかがですか?

渋谷:日を追うごとに良くなってますね。ライブが終わるたびにスタッフを含めて話し合って、みんなの向く方向がどんどん同じになってますからね。すごく楽しいですよ!いいライブをやれている感覚がありますね。

藤原:1本1本終わった瞬間はやってやったぜ!という感覚になりつつ、そのあとにいろいろ話し合って、細かい部分も修正できていますからね。今までのツアーでも意識しているつもりだったけど、そこまで意識していなかったんだなと。『東京』は深みのある作品なので、もっと良さを引き出したいと思ってますからね。

柳沢:過去イチで、身になっている部分が大きいですね。セットリストの中でも、新曲たちは演奏回数が圧倒的に少ないわけじゃないですか。それをものにするのも過去最速ですからね。これから先はさらに研ぎ澄ませていきたいなと。

上杉:うん、過去イチでストイックに追い込めているし。大袈裟ではなく、今日が最後でもいいと思えるステージを毎回やっているから。手応えはめちゃくちゃあるので、ここで得たものがまたライブハウス、アリーナ・ツアーに繋がっていくんだろうなと。いい意味で必死だから、生きている実感がありますね。いいツアーになっていると思いますよ。


リリース情報

2022.04.27 ON SALE
Blu-ray & DVD『LIVE VIDEO 5 Tokai No Rakuda Special at さいたまスーパーアリーナ』

Blu-ray

DVD


ライブ情報

SUPER BEAVER 『東京』 Release Tour 2022 〜 東京ラクダストーリー 〜
3/26(土)【千葉】森のホール21(松戸市文化会館)
4/1(金)【東京】TACHIKAWA STAGE GARDEN
4/3(日)【静岡】静岡市清水文化会館マリナート 大ホール
4/8(金)【福岡】福岡サンパレス
4/9(土)【熊本】市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)
4/16(土)【石川】本多の森ホール
4/17(日)【新潟】新潟県民会館
4/22(金)【北海道】札幌文化芸術劇場hitaru
4/23(土)【北海道】函館市民会館
4/29(金・祝)【岡山】倉敷市民会館
4/30(土)【広島】広島文化学園HBGホール
5/7(土)【愛媛】松山市民会館
5/8(日)【香川】レクザムホール(香川県県民ホール・大ホール)
5/19(木)【兵庫】神戸国際会館 こくさいホール
5/20(金)【大阪】フェスティバルホール
6/5(日)【愛知】名古屋国際会議場センチュリーホール
6/18(土)【滋賀】滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール
6/24(金)【岩手】盛岡市民文化ホール
6/26(日)【宮城】仙台サンプラザホール
7/5(火)【東京】東京国際フォーラム ホールA

SUPER BEAVER 「都会のラクダSP ~東京ラクダストーリービヨンド~」
10/19(水)【神奈川】横浜アリーナ
10/20(木)【神奈川】横浜アリーナ
10/25(火)【大阪】大阪城ホール
10/26(水)【大阪】大阪城ホール
12/10(土)【東京】有明アリーナ
12/11(日)【東京】有明アリーナ
12/24(土)【愛知】ポートメッセなごや新第1展示館
12/25(日)【愛知】ポートメッセなごや新第1展示館


プロフィール

SUPER BEAVER
スーパービーバー/2005年に結成された東京出身4人組ロックバンド。2009年にメジャーデビューを果たす。2011年にインディーズへと活動の場を移し、年間100本以上のライブを実施。その後、日本武道館、国立代々木競技場第一体育館のワンマン公演を開催し、チケットは即完売。2020年には結成15周年を迎えメジャー再契約を果たす。その後、ドラマやCM、そして話題の映画『東京リベンジャーズ』主題歌を務める。2021年10月から11月にかけて、さいたまスーパーアリーナを含む3都市6公演のアリーナツアーを開催しチケットは完売。2022年2月にフルアルバム『東京』をリリース。現在、全国ホール・ツアー中。今年10月から12月に自身最大規模となる4都市8公演のアリーナツアーも控えており、今最も注目のロックバンド。


SUPER BEAVER OFFICIAL SITE
http://super-beaver.com