THE F1RST TIMES

REPORT

2022.03.25

ザ・リーサルウェポンズ、ツアー最終日。“ポンズ流の音楽”で見せつけた、80〜90年代へのリスペクト

TEXT BY 森朋之

■現代的なポップミュージックにアップデート

ザ・リーサルウェポンズの初の全国ツアー『ポンズの野望・全国版〜もうがまんできねえ〜』の最終公演が3月21日、東京・恵比寿LIQUIDROOMで行われた。

コロナ禍により2度の中止を余儀なくされたザ・リーサルウェポンズの全国ツアー。しかもツアー初日の大阪公演が延期されるなど(ボーカルのサイボーグジョーの半導体がコロナに侵されるトラブルのため)、数々の苦難を乗り越えて辿り着いた東京公演。ソールドアウトの会場でサイボーグジョーとアイキッドは、80〜90年代カルチャーの面白さ、素晴らしさを現代的なポップミュージックにアップデートさせた最高のエンターテインメントを見せつけた。

“時は戦国。暴君・織田信長は暴虐の限りを尽くしていた。比叡山でのキャンプファイヤー”ではじまるアナウンス、サイボーグジョー、アイキッドが「もう我慢できねえ!」と戦国時代で一揆を起す(?)オープニング映像、壮大なスケールを感じさせるシンセのSEの後、“アニキ!アニキ!”というコールが炸裂。「80年代アクションスター」からライブは幕を開けた。コールやシンガロングのパートはすべてスピーカーから流され、観客はマスク着用のまま身体を揺らし、拳を突き上げまくる。「恵比寿リキッドルーム!80年代純度100%!男のなかの男、出てこいや〜!!」とジョーが叫ぶと、フロアのテンションは一気にアップ。さらに「ポンズのテーマ」では、『ゴーストバスターズ』を想起させるサウンドに乗って、メンバーふたりがCO2バズーカでスモークを発射。「今夜はサイコー ねるとん だいじょぶだ」など80年代テレビ番組のタイトルを連呼する楽曲によって、ライブは早くも最高潮だ。なんかもう、問答無用に楽しい。

■歓声をスピーカーから流すなど、コロナ仕様の演出もばっちり

最初のMCでサイボーグジョーは「まず、皆さん、心配かけちゃってすみませんね。アイムソーリー。でも、センセイのおかげでチューンアップされたから、復活だよー!」とコメント。さらにアイキッドが「ツアーが3回ダメになっちゃって、キツイなーと思ってたんだけど…今日は春分の日ですね!そんな日にライブができるっていうのも、少しずつ春が近づいてきているのかな」と話すと、会場に足を運んだオーディエンスから大きな拍手が巻き起こった。

三々七拍子の手拍子で盛り上がったアッパーチューン「東海道中膝栗毛」、日本が世界に誇る小型バイクを称賛する「Super cub is No.1」とインディーズ時代の楽曲を披露した後は、1stメジャーアルバム『アイキッドとサイボーグジョー』の収録曲を次々と放った。夜のスーパーマーケットで繰り広げられる総菜&弁当の争奪バトルをテーマにした「半額タイムセール」(モデルは東京・都立家政にあるスーパーマルエツ)、“I don’t pay the 借金返済”“現代の奴隷 派遣社員”というフレーズが突き刺さる「シェイキン月給日」。ステージの奥に設定されたスクリーンには歌詞が映し出され、コール&レスポンスや歓声をスピーカーから流すなど、コロナ仕様の演出もばっちり。楽曲を重ねるたびに会場の一体感が上がっていく。

ライブ中盤、もっとも印象的だったのはアルバムに収録された新曲「雨あがる」。叙情的な旋律とともに奏でられる“All the people who fought virus/Sing this Song with gratitude and deep respect”(ウイルスと戦うすべての人々へ 感謝と深い尊敬とともにこの歌を歌う)というフレーズからは、コロナ禍に立ち向かう医療従事者への強い思いが伝わってきた。(アイキッド先生も「いやこれ、名曲だな…」と呟いてました)

■元ネタを知ってても知らなくても全力で楽しめる

童謡的なメロディを取り入れた「毎日たのしい1週間」、ヤンキーたちの更生を目指す先生の奮闘を描いた「熱血ティーチャー」からライブはクライマックスへ。バブル経済真っ只中のディスコを思い起こさせる「マハラジャナイト」、重低音を押し出したトラックと速弾きギターソロがぶつかり合う「川中島の戦い」。シンセポップ、ハードロック、ヘビィメタル、ディスコなどの80年代ミュージックを現代に蘇らせる音楽性、“この場にいる全員で盛り上がる”ことに集中した演出、そして、キャラ立ち抜群のサイボーグジョー、アイキッドのサービス精神たっぷりのパフォーマンス。この日、ザ・リーサルウェポンズが体現したのは、元ネタを知ってても知らなくても全力で楽しめる、本気で優れたエンターテイメントだったと断言したい。

「よし、みんな口パクで一緒に歌おう!」というサイボーグジョーの呼びかけから80年代を象徴するギターヒーローへのリスペクトとレクイエムを込めた「さよならロックスター」を披露し、本編は終了。

アンコールは、お笑いコンビBANBANBAN・鮫島一六三によるグッズ紹介から。「Everyday 飲んじゃうジョッキ」を掲げて乾杯しようとした瞬間、ザ・リーサルウェポンズが再びステージに登場。ファンとともに乾杯する朗らかなシーンにほっこりしてると会場が暗転、なんと獣神サンダーライガーが乱入!「なんで俺を『新宿バトルロイヤル』(2021年11月で開催されたイベント)に呼ばなかった!」と怒り心頭のライガーに対し、「ライガーさんの怒りを鎮めるためには、アレを一緒にやるしかない」(アイキッド)とアルバム収録曲「94年のジュニアヘビー」へ。ラストは獣神サンダーライガー、鮫島一六三、ザ・リーサルウェポンズのよる「きみはマザーファッカー」(星野源も絶賛した代表曲!)のセッションが実現し、ライブは大団円を迎えた。

■“中野サンプラザ”でのワンマンライブを発表

ライブ終了後には、メンバーの地元である東京・中野でいちばん大きい会場“中野サンプラザ”でのワンマンライブを発表(『大コンバンワンマン 〜 オレたち中野を大事にするぜ!地元のライブはハンパねぇ 〜』 9/30(金)東京・中野サンプラザ)。80’s〜90’sのカルチャーを極上のエンタメに昇華させるサイボーグジョー、アイキッドの躍進は、まだまだ続きそうだ。


■2022年3月21日『ポンズの野望・全国版~もうがまんできねえ~』恵比寿LIQUIDROOM公演セットリスト
1.80年代アクションスター
2.ポンズのテーマ
3.東海道中膝栗毛
4.Super cub is No.1
5.半額タイムセール
6.シェイキン月給日
7.雨あがる
8.毎日たのしい1週間
9.熱血ティーチャー
10.マハラジャナイト
11.川中島の戦い
12.プータロー
13.ホッピーでハッピー
14.さよならロックスター
EN1.94年のジュニアへビー with 獣神サンダーライガー
EN2.きみはマザーファッカー with 獣神サンダーライガー、BANBANBAN鮫島一六三


ライブ情報

大コンバンワンマン ~ オレたち中野を大事にするぜ!地元のライブはハンパねぇ ~
9/30(金) 東京・中野サンプラザ


ザ・リーサルウェポンズ OFFICIAL SITE
https://www.tlw80s.com