■MCの小峠英二(バイきんぐ)、やす子が登場
SMA 50th Anniversary presents「奥田民生と山内総一郎の『なんて日だ!』」が2025年2月23日(日)、Zepp Haneda(TOKYO)で開催された。SMA50周年の一環として行われたこのイベントには、奥田民生、山内総一郎のほか、スペシャルゲストとして葉加瀬太郎、真心ブラザーズ、八熊慎一(SPARKS GO GO)、土岐麻子、もも(チャラン・ポ・ランタン)、jo0ji、小峠英二(バイきんぐ)、やす子が出演。伊藤大地(Dr)、砂山淳一(Ba)、奥野真哉(Key)の演奏とともにSMAの歴史を彩ってきた名曲が次々と披露される超スペシャルな一夜となった。
SMAの歴史を紹介する映像(ナレーションはPUFFYの大貫亜美)が紹介された後、MCの小峠英二(バイきんぐ)、やす子が登場。
やす子「どうも人気者です!」
小峠「すいません、もっと人気者です!」
やす子「やったー!人生で、まさか奥田民生さん、山内総一郎さんのライブのMCができる日が来るなんて思ってもみませんでした」
小峠「さっき民生さんのリハーサル見てたけど、めっちゃ声出てたぞ」
ふたりがトークを繰り広げていると、奥田民生、山内総一郎、バンドメンバーがステージへ。
■メインボーカルは小峠で、「大迷惑」(UNICORN)が炸裂!ラスサビで奥田がいきなり歌い出し、小峠&奥田のツインボーカル状態へ
「SMA50周年、去年くらいからやってるんですよ。まだやってんだね、今年も。今日も高速がめっちゃ混んで…こういうの、どういう日なの?」(奥田)
「言いますよ、じゃあ(笑)。お客さんがこんなにたくさん入ってくれて、なんて日だ!」(小峠)
というやり取りのあと、いきなり「大迷惑」(UNICORN)が炸裂!メインボーカルは小峠。奥田はバズーカでプレゼントを客席に放った後、ラスサビでいきなり歌い出し、小峠&奥田のツインボーカル状態へ。さらに「人の息子」(奥田民生)を山内が歌い上げ、奥田が激渋のギターソロを響かせる。そして奥田&山内が声を重ねた「トリセツ」(西野カナ)と冒頭からレアすぎるシーンが出現した。
ここからは小峠、やす子のトークを挟みつつ、スペシャルゲストたちがカバー曲 / オリジナル曲を披露するコーナーへ。
■もも(チャラン・ポ・ランタン)が「異邦人」(久保田早紀)、土岐麻子が「迷い道」(渡辺真知子)などを披露
まずは、もも(チャラン・ポ・ランタン)。オリエンタルな雰囲気のイントロから始まったのは、「異邦人」(久保田早紀)。裏打ち跳ねのリズムを取り入れたアレンジによって、原曲の新たな魅力を引き出していく。「ぽかぽか」(チャラン・ポ・ランタン)における朗らかでオーガニックな歌声も気持ちいい。
続いて登場したのは、「SMAのシュペリエル・マドンナ!」(やす子)と紹介された土岐麻子。SMAの前身である“エイプリルミュージック”時代のヒット曲「迷い道」(渡辺真知子)を“洗練された憂い”と称したくなるボーカルで響かせた。そして彼女自身が「ターニングポイントになった曲です」という「Gift~あなたはマドンナ~」へ。しなやかなバンドグルーヴ、そして、軽やかさと凛とした佇まいを感じさせる歌が響き合い、上質なポップ空間が生まれた。
■葉加瀬太郎による「情熱大陸」では、奥田がパーカッションを、そこに桜井秀俊(真心ブラザーズ)が登場し、バイオリンを演奏!
この日、もっともレアなセッションとなったのが葉加瀬太郎のステージ。バイオリンを持って登場した葉加瀬はにこやかに奥田、山内と握手。まず披露されたのは、奥田の代表曲の一つである「マシマロ」。Aメロ、Bメロでは鋭い“刻み”でアンサンブルに厚みを持たせ、間奏では奥田とともにソロ演奏を繰り広げる。2曲目はもちろん「情熱大陸」。奥田がパーカッションを演奏、ラテンモードを強調したアレンジによって、誰もが知っているあのメロディを引き立てた。そこに桜井秀俊(真心ブラザーズ)が登場し、なんとバイオリンを演奏!おそらくはもう二度と見られない、この日だけの激レアな共演だった。
■真心ブラザーズは、地球三兄弟(YO-KING、桜井秀俊、奥田民生によるユニット)の楽曲を披露し、YO-KINGがドラムを叩き、葉加瀬&桜井がバイオリンを演奏
そして真心ブラザーズ。セレクトされたのはカバー曲でもオリジナル曲でもなく、地球三兄弟(YO-KING、桜井秀俊、奥田民生によるユニット)の楽曲だった。まずは「アースの休日」。YO-KINGがドラムを叩き、葉加瀬&桜井がバイオリンを演奏する(またしても)“これ、1回限りだろうな”というシーンが出現した。そして「呼びにきたよ」は、奥田がベース、YO-KING&桜井がツインギターという編成で演奏。シンプルで奥深いアンサンブルとコーラスワーク、“果てない旅へ 呼びにきたよ”というフレーズがゆったりと広がり、豊かな感動へとたどり着いた。
■「スローなブギにしてくれ(I want you)」(南佳孝)で観客をグッと引き寄せたjo0jiは、鮮烈にして強烈な印象を残した
jo0jiのステージは鮮烈にして強烈。「スローなブギにしてくれ(I want you)」(南佳孝)の有名な歌い出し“Want you 俺の肩を抱きしめてくれ”のワンフレーズで、観客をグッと引き寄せる。生々しいグルーヴをたたえたボーカルが響き、全員の演奏がさらに引き締まったのも印象的だった。オリジナル曲「眼差し」には再び葉加瀬太郎が参加。壮大なサウンドをバックに堂々とした歌声を響かせた。シンガーソングライターとしての類まれなセンスを見せつけたjo0jiはここから、幅広い層の音楽ファンを魅了することになるだろう。
■八熊慎一(SPARKS GO GO)は、「初恋」(村下孝蔵)を“村下孝蔵コス”で歌った
ゲストコーナーの最後は八熊慎一(SPARKS GO GO)。カーディガン、横分けヘアのカツラ、アコギの“村下孝蔵コス”で登場した八熊が歌ったのはもちろん「初恋」(村下孝蔵)。“タメ”の効いたいぶし銀のボーカリゼーションと、奥田・山内のコーラスが溶け合い、昭和の名曲に新たな息吹を与えた。さらに「ルーシーはムーンフェイス」(SPARKS GO GO)を奥田、山内とともにアコギ3 本で披露。往年のフォークロック的な世界観を体現してみせた。
■伝説のバンド“I.M.O.”(イモマミレオーケストラ)がこの日、まさかの再生
ここでスクリーンに映されたのは、かつて北海道倶知安町で行われていたSPARKS GO GO主催イベント『JUNK! JUNK! JUNK!』の紹介映像。このイベントで誕生した伝説のバンド“I.M.O.”(イモマミレオーケストラ)がこの日、まさかの再生。メンバーは学生服姿の八熊、奥田、山内、YO-KING、桜井、そして、チャイナ服を着たやす子。テクノミュージックの創始者である元祖バンド/日本を代表するフュージョンバンド/世界的スカバンドへのリスペクト溢れまくりのステージもまた、このイベントだけの特別な企画だった。
■SMAを象徴するロックの名曲によって、観客のテンションは最高潮
そしてイベントは後半戦へ。まずはYO-KINGのダイナミックな歌声が突き刺さった「どか~ん」(真心ブラザーズ)。「アジアの純真」(PUFFY)では土岐&ももがキュートなパフォーマンスでフロアを沸かせまくった。本編最後は「恋のマジックポーション」(すかんち)、「すばらしい日々」(UNICORN)を全員でセッション。SMAを象徴するロックの名曲によって、観客のテンションは最高潮に達した。
■アンコールのラストは小峠の「俺んとこ こないか?」から始まった「One Night Carnival」(氣志團)
アンコールも見どころたっぷり。「この事務所に入ろうとしたきっかけが民生さんなんです。(フジファブリックの)バンドメンバーで東高円寺に集まって、“民生さんがいるんだったら、好きなことやらせてもらえるんじゃね?”ということでSMAに入って20年。SMAを代表するみなさんと一緒にやらせてもらえてうれしいです」(山内)というMCから「イージュー★ライダー」(奥田民生)。奥田、山内のアコギの弾き語り。ふたりのボーカリストが共鳴し、歌という表現の奥深さが真っ直ぐに感じられる演奏だった。ラストは小峠の「俺んとこ、こないか?」から始まった「One Night Carnival」(氣志團)。全員が学ラン姿、揃いの振付で盛り上がりまくり、イベントはファイナルを迎えた。
SMAの歴史と音楽的魅力をエンタメ感溢れる演出とともに体感できる、50周年アニバーサリーに相応しい2時間半超えのステージ。何度も言いますが、こんなイベント、二度と見られません!!!
TEXT BY 森朋之
PHOTO BY 三浦憲治
SMA 50th Anniversary presents奥田民生と山内総一郎の『なんて日だ!』
2025年2月23日 Zepp Haneda(TOKYO)
セットリスト
1.大迷惑(UNICORN)
2.人の息子(奥田民生)
3.トリセツ(西野カナ)
ゲスト① もも(チャラン・ポ・ランタン)
4.異邦人(久保田早紀)
5.ぽかぽか(チャラン・ポ・ランタン)
ゲスト② 土岐麻子
6.迷い道(渡辺真知子)
7.Gift〜あなたはマドンナ〜(土岐麻子)
ゲスト③ 葉加瀬太郎
8.マシマロ(奥田民生)
9.情熱大陸(葉加瀬太郎)
ゲスト④ 真心ブラザーズ
10.アースの休日(地球三兄弟)
11.呼びにきたよ(地球三兄弟)
ゲスト⑤ jo0ji
12.スローなブギにしてくれ(I want you)(南佳孝)
13.眼差し(jo0ji)
ゲスト⑥ 八熊慎一(SPARKS GO GO)
14.初恋(村下孝蔵)
15.ルーシーはムーンフェイス(SPARKS GO GO)
16.JUNKメドレー
17.どか~ん(真心ブラザーズ)
18.アジアの純真(PUFFY)
19.恋のマジックポーション(すかんち)
20.すばらしい日々(UNICORN)
EN1.イージュー★ライダー(奥田民生)
EN2.One Night Carnival(氣志團)
Sony Music Artists 50th Anniversary 特設サイト
https://www.sma.co.jp/s/sma/page/50th?ima=0000#top