Suchmosがリスペクトするアーティストを招いて行う対バンツアー『Suchmos The Blow Your Mind TOUR 2026』が、いよいよ始まった。『THE FIRST TIMES』では、全9都市の同公演レポートを独占で実施する。
■Suchmosの地元・横浜から対バンツアーが開幕
このツアーは、もともと2020年3月より開催が予定されていたもの。横浜スタジアム公演を終えたSuchmosが、次はライブハウス規模でツアーを行う、しかも松任谷由実やMr.Childrenをはじめとする豪華ゲストを招いて、ということから「奇跡の対バンツアー」と呼ばれていた。しかし、新型コロナウイルスのパンデミックにより中止に。「奇跡のツアー」が「幻のツアー」になってしまったことは、ファンにとってはもちろん、本人たちにとっても無念な出来事だった。そして翌2021年2月、Suchmosは活動休止期間に入る。あれから6年越しのリベンジとして、ついに開催されるのがこのツアーということだ。
各都市で招く全9組のゲストとの共演は、それぞれに異なる意味合いと悦びが生まれるだろう。その貴重な瞬間を言葉にして残すべく、この記事を皮切りに、全9都市のライブレポートを書き留めたいと思う。
■共通するポイントが多々あるSuchmosとIO
まずは、5月14日。ツアー初日。この日の朝は、どこまでも気持ちよく歩けそうな空だった。それなのに、だんだんと雲行きが怪しくなり、夕方には目の前が見えなくなるほどの土砂降りの雨が襲ってきた。
Suchmosというバンドの歩みを凝縮したような空模様だなと、ふと思った。Suchmosには、見通しのいい晴れやかな時期と、葛藤や哀しみの時期があった。というか、そもそも人生って、そんなもんだろう。きっとあなたの人生にも、気持ちよく前を向いて歩ける日もあれば、足を一歩動かすことすらしんどい日もあると思う。
1都市目は、Suchmosの地元である横浜・KT Zepp Yokohama。ゲストは、IO。
IOや、彼が所属していたヒップホップクルー・KANDYTOWN(2023年に「終演」)とSuchmosには、深い縁がある。KANDYTOWNのメンバーであるYUSHI、Ryohuと現・OKAMOTO’Sのメンバーは高校時代(2008~2009年)に話題を呼んだバンド・ズットズレテルズとして活動していて、そんな10代の頃から、一部メンバーはライブハウスで交流を持っていた。 そして2010年代半ばから、Suchmosはバンドシーンで、KANDYTOWNはヒップホップシーンで、それぞれ地殻変動を起こすほどの重要な存在になった。
この日SuchmosのYONCE(Vo)がMCで「ロックミュージックとヒップホップ、違うようで、はっきり言って一緒だと俺は思っています。だから今日、どちらのお客さんもぐちゃぐちゃに混ざっている状況が僕にとって心地いいです」と言っていたが、一見ジャンルやシーンは異なれど、両者に共通するポイントは多々ある。まずは音楽性。最終的なアウトプットは違うが、ヒップホップ、ジャズ、ソウル、R&Bなどのネタをサンプリングし、それぞれのスタイルに昇華しているという点で共通している。
■IOのステージにKohjiya、Shurkn Pap、MALIYA、Ryohuが登場
この日、初っ端から「音が気持ちいい」と感じさせてくれたIOのバンドメンバーはKORK(DJ、Manipulator)に加えて、MELRAW(Sax、Gu)、大樋祐大(Key/SANABAGUN.)、熊代崇人(Ba)、荒田洸(Dr/WONK)。Suchmosのメンバーと世代も近く、ともに2010年代半ばから、ジャズやヒップホップなどのアンダーグラウンドな要素をメインストリームのポップスへと持ち込み、日本の音楽の土壌を豊かにしてくれたミュージシャンたちだ。大樋は、SuchmosのTAIKING(Gu)のソロプロジェクトでサポートをつとめてもいる。IOとSuchmosだけでなく、バンドメンバーまで、世代と音楽的なマインドが近い仲間が集う日になったのだ。
また、「画面の中ではなく、ストリートこそがリアル」というスタンスで切り拓いてきたことや、幼稚園から一緒に過ごしてきたメンバーもいる中で、いくら稼ぐかよりも友達と遊ぶように音楽を作り続けることを美学として貫いてきたところも、SuchmosとKANDYTOWNのあいだで共鳴している。IOのライブは、そういった自身の生き様を提示する「本牧カーチェイス」「Spotlight」からスタートした。
IOは自身のステージにKohjiya、Shurkn Pap、MALIYA、Ryohuの4人を招いて、とても豪華な内容を作り上げた。Kohjiyaとの「Racin’」では、《シャバイ事してる暇ねぇよ》のラインでオーディエンスが一体となってデカい声が上がった。その瞬間、やはりYONCEの言う通り、ジャンルの壁などを越えて、そういった価値観を大切にしながら音楽とともに生きている人たちが集まったのが、今日という日なのだと思った。
終盤にRyohuを呼び込んで「Say My Name」「All in One」を披露したのだが、なんとRyohuは左足にギブスを装着した状態で松葉杖をついて登場。Ryohuは、Suchmosにとって重要な人物である。活動休止期間中の2022年、YONCEが音楽業界から離れていた頃、彼をボーカリストとして引っ張り出してくれたのがRyohuだ。「One Way feat. YONCE」は、活動休止を発表して以降、初めてYONCEの歌声が再び世の中に響き渡る機会になった。そして、《先は見えないが歌だけはある》という確信をYONCE自身が得るきっかけのひとつにもなった。
■当日のリハ終わりで急遽決定した、“100億光年ぶり”に披露した曲
「Ryohuがいるということは…」とあの場にいた人たちの多くが期待していたことだと思うが、それに応えるように、この日のアンコールでは「GIRL feat.呂布」も演奏された。実は演奏する予定がなく、当日のリハーサルを終えたタイミングに楽屋で「っていうかさ?」「今日Ryohu来てるよね」という会話になり、急遽ステージでやることになったという。リハーサルもせず、YONCEの体感としては「100億光年ぶり」(本人たちの記憶が正しければ、2015年の渋谷WWW公演ぶり)に、ぶっつけ本番で音を合わせた「GIRL feat.呂布」は、微塵もそうとは思わせないほど息がぴったりで、むしろ各々のフレーズに成熟したアレンジが加わった特別な仕上がりになっていた。
「GIRL feat.呂布」のRyohuがヴァースを蹴る前の間奏で、YONCEは「出会いは11年前だった。あの頃の俺たちは、明日のことなんか知らない。何も持たない男たちだった。そして今日立つこのステージは、あの日とは少し意味を変えてしまったけれど、俺たちとお前との絆は変わらないはずだよね」と語った(シリアスというより、TAIKING、TAIHEI、Kaiki Oharaはそれを聞いて笑っているようなトーンで)。最後はYONCEがRyohuを支えるように肩を組んで、Ryohuが「Suchmosのみんな、ありがとうございます!」とシャウト。
「GIRL feat.呂布」がリリースされたのは、2015年。当時のMV撮影現場にはIOも参加していて、ライブ前日にはIOのInstagramにその日の写真がアップされていた。「GIRL feat.呂布」のMV監督を務めた山田健人は、現在もSuchmosとIOのライブ演出を手がけている。また、「One Way feat. YONCE」の監督をつとめたのも彼だ。やはり義理人情に厚く、メンバーだけでなく周りの友達らとともに上がってきたのが、Suchmosであり、IOなのだ。
ツアー初日であるこの日、Suchmosは、宮城・ゼビオアリーナ仙台、神奈川・Kアリーナ横浜、福岡・マリンメッセ福岡B館、兵庫・GLION ARENA KOBEと、港にゆかりのある4都市を巡るアリーナツアー『Suchmos BAY SIDE TOUR 2027』を、2027年3月より開催することを発表した。またライブでは、新曲を2曲も披露。それらは、Suchmosの6人がリスナーに向けて心を開き、晴れやかな気持ちで音楽ができていることが伝わってくる2曲だった。
YONCEは、最後にこんな言葉を刻んでステージを去った。
「雨が止んでよかったですね」
TEXT BY 矢島由佳子
LIVE PHOTO BY Yukitaka Amemiya
『The Blow Your Mind TOUR 2026』
全都市レポート掲載中!
https://www.thefirsttimes.jp/keywords/15494/
■セットリスト
『Suchmos The Blow Your Mind TOUR 2026』
2026.05.14@神奈川・KT Zepp Yokohama
IO セットリスト
01.Just Intro(SE)→ 本牧カーチェイス
02.Spotlight
03.KIDY
04.1942
05.Racin’(feat. Kohjiya)
06.Mamacita
07.Trust Me(feat. Shurkn Pap)
08.Bill.
09.Lowkey(feat. MALIYA)
10.Say My Name(feat. Ryohu)
11.All in One(feat. Ryohu)
12.左利きのBenz
『Suchmos The Blow Your Mind TOUR 2026』
2026.05.14@神奈川・KT Zepp Yokohama
Suchmos セットリスト
01.MINT
02.Alright
03.Whole of Flower
04.John(New)
05.Pacific
06.hi-liter(New)
07.A.G.I.T.
08.YMM
09.STAY TUNE
10.GAGA
11.VOLT-AGE
[ENCORE]
01.GIRL feat. Ryohu
02.Life Easy
The Blow Your Mind TOUR 2026
KT Zepp YokohamaIOくんと彼のバンドが、色褪せない男の生き様を見せてくれました。本牧のブルースマンみたいなラッパーです。
おかげで、最高のキックオフでツアーを始めることが出来た。ありがとう!
YONCE#Suchmos#IO#SCM_TBYM pic.twitter.com/UMVCWSScRI
— Suchmos (@suchmoz) May 15, 2026
■ツアー情報

『Suchmos BAY SIDE TOUR 2027』
[2027年]
03/13(土)宮城・ゼビオアリーナ仙台
03/14(日)宮城・ゼビオアリーナ仙台
04/16(金)福岡・マリンメッセ福岡B館
04/17(土)福岡・マリンメッセ福岡B館
04/24(土)神奈川・Kアリーナ横浜
04/25(日)神奈川・Kアリーナ横浜
05/01(土)兵庫・GLION ARENA KOBE
05/02(日)兵庫・GLION ARENA KOBE
【チケット先行スケジュール】
オフィシャル三次(抽選)
受付期間:2026年7月1日(水)18:00〜7月13日(月)23:59
https://w.pia.jp/t/suchmos-tour2027/
※お一人様4枚まで購入可能。
※小学生以上有料/未就学児童無料(保護者同伴の場合に限る)、大人1名につき子供1名まで膝上可。但し座席が必要な場合はチケット必要。

『Suchmos The Blow Your Mind TOUR 2026』
05/14(木)神奈川・KT Zepp Yokohama ゲスト:IO
05/15(金)神奈川・KT Zepp Yokohama ゲスト:IO
05/20(水)愛知・Zepp Nagoya ゲスト:GLIM SPANKY
05/21(木)愛知・Zepp Nagoya ゲスト:GLIM SPANKY
05/26(火)大阪・Zepp Osaka Bayside ゲスト:くるり
05/27(水)大阪・Zepp Osaka Bayside ゲスト:くるり
05/29(金)福岡・Zepp Fukuoka ゲスト:長岡亮介
05/30(土)福岡・Zepp Fukuoka ゲスト:長岡亮介
06/04(木)北海道・Zepp Sapporo ゲスト:cero
06/05(金)北海道・Zepp Sapporo ゲスト:cero
06/13(土)宮城・SENDAI GIGS ゲスト:ハナレグミ
06/14(日)宮城・SENDAI GIGS ゲスト:ハナレグミ
06/20(土)広島・BLUE LIVE HIROSHIMA ゲスト:GRAPEVINE
06/21(日)広島・BLUE LIVE HIROSHIMA ゲスト:GRAPEVINE
06/25(木)新潟・LOTS ゲスト:The Birthday
06/26(金)新潟・LOTS ゲスト:The Birthday
07/01(水)東京・Zepp Haneda ゲスト:Fujii Kaze
07/02(木)東京・Zepp Haneda ゲスト:Fujii Kaze
https://www.thefirsttimes.jp/keywords/15494/
■独占公開!『Suchmos The Blow Your Mind TOUR 2026』全都市レポート

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