何気ない授業風景、部活に明け暮れることもあれば、大恋愛したことも…かけがえのない日々が詰まった場所からの旅立ちを彩る“卒業ソング”。長年愛されてきた名曲や新定番となりつつあるフレッシュなナンバーまで、全25曲をセレクト。門出を祝して、心に深く刺さるこの楽曲たちを聴いてほしい。
■今どきの卒業ソング人気15曲
01.「僕のこと」Mrs. GREEN APPLE
02.「また逢う日まで」平井大
03.「桜のあと」Tani Yuuki, Ryo‘LEFTY’Miyata, cross-dominance
04.「僕らまた(Us,again)」SG
05.「サクラキミワタシ」tuki.
06.「旅路」藤井風
07.「沈丁花」DISH//
08.「オレンジ」SPYAIR
09.「春を告げる」yama
10.「正解」RADWIMPS
11.「ラストソング」Official髭男dism
12.「ハルカ」YOASOBI
13.「桜晴」優里
14.「桜が降る夜は」あいみょん
15.「最高到達点」SEKAI NO OWARI
【楽曲リンク:今どきの卒業ソング】
「僕のこと」Mrs. GREEN APPLE
2019年1月リリース。2022年11月からオンエアされたカロリーメイト受験生応援CM『狭い広い世界で』篇のために新レコーディングした「僕のこと(Orchestra ver.)」は、2023年1月9日に配信リリース。《努力も孤独も 報われないことがある だけどね それでもね 今日まで歩いてきた》という一節に代表されるように、毎日を精一杯に生きている人を心から祝福している。部活動などで苦楽を共にした友人との思い出をまとめた動画のBGMとしてもおすすめしたい。
「また逢う日まで」平井 大
2015年にリリースされたアルバム『Slow & Easy』に収録。ウクレレ、ピアノ、アコースティックギター、波の音など、オーガニックな音色で満ちている。 温かな声で歌われる《ねえどうして涙が溢れる?》は、別れの当事者が抱くリアルな感覚なのだと思う。寂しさ、感謝、愛しさ、出会えた喜びなど、たくさんの想いが渦巻きながら溢れる涙の理由は、端的に語り尽くせるものではない。友人、恋人、家族、同僚など、大切な人と別の道に進む際にぜひ聴いてほしい。あなたの理解者、気持ちの代弁者となる曲だ。
「桜のあと」Tani Yuuki, Ryo‘LEFTY’Miyata, cross-dominance
作詞、作曲、サウンドプロデュースをRyo‘LEFTY’Miyataが担当。明日から思い出へと変わる見慣れた風景を全編でじっくり描写しているのが印象的。《さよならの数だけ また会えたね があるなら 今は行こう それぞれの物語を》は、卒業式の際にクラスメイトに対して抱く気持ちと鮮やかに重なる。
「僕らまた(Us, again)」SG
YouTubeやTikTokを中心に活動する、韓国人の父と日本人の母を持つシンガーソングライター・SG(ソギョン)。2021年4月にリリースされたこの曲は、若いリスナー層を中心として、卒業ソングの新定番としてのポジションを確立しつつある。学生からの「卒業式で歌いたい!」というリクエストに応えて、混声4部とピアノ伴奏の合唱用楽譜が公式YouTubeに無料公開されている。再会を約束し合いながら仲間とこの曲を合唱するのは、学生生活の素敵な思い出のひとつになること間違いなし。
「サクラキミワタシ」tuki.
ABEMAの恋愛番組『今日、好きになりました。卒業編2024』挿入歌。桜が咲く季節を舞台とした卒業の風景を描いている。ピアノを基調としたサウンドに包まれながら歌うtuki.の声は、切なくて寂し気でありながらも、ときには激しい。祝福、応援、希望といった前向きな感情と“このままでいたい”という気持ちが複雑に入り混じる胸中を、歌声がまざまざと伝えてくれる。《黒板とノート ペンが走る音》というような学校生活の描写も印象的。現役高校生のtuki.だからこそ生み出せたリアルな卒業ソングだ。
「旅路」藤井風
2021年に放送されたテレビドラマ『にじいろカルテ』主題歌。学生活を描いてはいないが、様々な人との出会いと別れを重ねていく人生を描いているという点で、卒業ともリンクする。《この宇宙が 教室なら 隣同士 学びは続く》が印象的。穏やかなトーンのメロディに耳を傾けると、春の風景が一際心地よくなる。
「沈丁花」DISH//
2021年に放送されたテレビドラマ『二月の勝者-絶対合格の教室-』主題歌。はっとり(マカロニえんぴつ)と北村匠海の共作。悩みや不安を抱えながらも、たくさんの経験と学びがある学生生活を支えてくれるのが肉親、保護者。なかなか言葉にできない感謝の気持ちを歌ったこの曲も、卒業式の季節にぴったり。
「オレンジ」SPYAIR
『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』主題歌。テレビアニメシリーズのオープニングテーマも手掛けながら『ハイキュー!!』と向き合ってきたSPYAIRならではの要素も満載なので、様々なフレーズに着目して考察するのも楽しい。そして、青春時代の燃え上がるかのようなエネルギーを伝えてくれるのも、この曲の大きな魅力だ。スポーツの戦いの当事者たちは、勝敗が決したあともそれぞれの人生を歩むが、刺激し合ったライバル、支え合った仲間だからこその感情をずっと共有し続ける。そんな姿も反映された歌詞は、クラスメイトとの別れの風景にもよく似合う。
「春を告げる」yama
yama名義での初のオリジナル曲。作詞・作曲をくじらが手掛けた。様々な解釈が成立するだろうが、おそらく多くのリスナーがイメージするのは、壊れゆく世界で過ごす真夜中の風景。この曲がリリースされたのは、コロナ禍により先の見えない日々が続いた2020年4月、この頃に抱いた想いと重ねながら聴いた人も多いはず。サウンドを含めた全体的な近未来感と生活感に溢れた《6畳半》《蛍光灯》といったワードのコントラストは、どこか寂し気なムードを醸し出すメロディをドラマチックに躍動させている。
「正解」RADWIMPS
RADWIMPSと1000 人の18 歳世代が共演したNHKの番組『18祭』のために書き下ろされた曲。アルバム『ANTI ANTI GENERATION』には、「正解(18FES ver.)」が収録されている。正解を導き出すことをひたすら求められる学生時代を経て、正解が明確ではないことばかりの世の中へと飛び出していく若者の心情が歌われている。公式サイトで「オリジナル」「女声三部」「混声三部」の楽譜が無料ダウンロードできるので、卒業式で歌うこともおすすめしたい。
「ラストソング」Official髭男dism
2019年にリリースされたアルバム『Traveler』の収録曲。テレビドラマ『あと3回、君に会える』挿入歌。大切な人と共に過ごす時間の尊さが描かれている。ライブのエンディング間際の心情など、幅広いシチュエーションにフィットするのも魅力。《もっと歌いたいのにな》は、卒業式で抱く名残惜しさも言い表してくれる。
「ハルカ」YOASOBI
放送作家・鈴木おさむの小説『月王子』を原作に書き下ろされた一曲で、タカラトミー『ぷにるんず』CMソング。売れ残っていたマグカップと持ち主の出会い、共に過ごした日々を描いたこの曲は、全編がとても温かい。つらい体験を乗り越えながら幸せを掴んでいくヒロイン“遥”の姿をマグカップの視点で捉えているが、大切な誰かを見守るすべての存在が抱く愛情が歌われている。人生の岐路を迎えた際、両親、教師など、支えてくれた人の気持ちを想像しながら耳を傾けることもできると思う。
「桜晴」優里
ファンから優里のもとに届いたメールをきっかけに制作された卒業ソング。春の風景、幼い頃の記憶、父、母、友への想いを、ピアノやストリングスの音色で温かく彩りながら歌い上げている。“切ないけれど悲しいわけではない”という言葉では言い表し難い感情の描写が、リアリティにあふれている曲だ。
「桜が降る夜は」あいみょん
ABEMAで放送された恋愛リアリティ・ショー『恋とオオカミには騙されない』主題歌。桜が咲く季節に募る恋心を甘酸っぱいメロディで描写。出会いと別れ、環境の変化がとても多い春は、恋する気持ちも激しく揺れ動きがちな季節。あいみょんの歌声は、ときめくあなたの心に優しく寄り添う。
「最高到達点」SEKAI NO OWARI
テレビアニメ『ONE PIECE』(2023年9月〜12月)主題歌。悲しみ、心の痛み、迷いを経たからこそ手にすることができる強さ、未来へと向けるまっすぐな眼差しが描かれている。学生時代や卒業式に関する描写は盛り込まれていないが、歌われている想いは、岐路を迎えた人の背中を押す力を帯びている。
■定番の卒業ソング10曲
01.「さくら(二〇二〇合唱)」森山直太朗
02.「3月9日」レミオロメン
03.「友~旅立ちの時~」ゆず
04.「空も飛べるはず」スピッツ
05.「遥か」GRe4N BOYZ
06.「YELL」 いきものがかり
07.「道」EXILE
08.「旅立ちの日に・・・」川嶋あい
09.「手紙 ~拝啓 十五の君へ」アンジェラ・アキ
10.「卒業写真」荒井由実
【楽曲リンク:定番の卒業ソング】
「さくら(二〇二〇合唱)」森山直太朗
2003年3月にリリースされた「さくら(独唱)」。2020年に再アレンジして新レコーディングされ、『カロリーメイト』CMへの起用も話題となった。心置きなく歌うことが許されなくなったコロナ禍を踏まえて生まれたこの合唱曲には、つらい日々を乗り越えてきた学生や教師たちへのエールが込められている。卒業式シーズンを彩る力を強く帯びた仕上がりだ。《さらば友よ 旅立ちの刻 変わらないその想いを 今》など、素晴らしいフレーズの数々が改めて心に響く。
「3月9日」レミオロメン
フジテレビ系ドラマ『1リットルの涙』挿入歌。もともとは、友人の結婚を祝福するために書いた曲であり、タイトルも結婚式の当日が由来。《新たな世界の入口に立ち/気づいたことは 1人じゃないってこと》が結婚をイメージさせつつも、歌詞の多くの部分は春の穏やかな風景、大切な人と過ごしてきた日々、これから迎える未来を描写している。様々な人生の門出のイメージと重なるからこそ、この曲は幅広い世代に愛され続けているのだろう。
「友~旅立ちの時~」ゆず
2013年の『NHK全国学校音楽コンクール 中学校の部』課題曲。同年の『みんなのうた』にも起用された。共に過ごしていた日々が終わり、それぞれの道へと進むことになる「卒業」の風景に、《同じ空の下 どこかで僕たちは いつも繋がっている》というフレーズは温かな希望を添えてくれる。
「空も飛べるはず」スピッツ
1994年にリリースされたスピッツの8枚目のシングル。1996年にテレビドラマ『白線流し』の主題歌となったことで、長年にわたって愛される大ヒット曲となった。高校生の群像劇だった同ドラマの印象的なシーンの数々を彩ったので、青春の風景を描いた曲としてイメージするリスナーが多いのだと思う。クリーントーンのギターのアルペジオ、オブリガードが透明感に溢れた歌を美しく浮き彫りにしている。スピッツのバンドアンサンブルの素晴らしさも存分に発揮されている永遠の名曲だ。
「遥か」GRe4N BOYZ
2009年に公開された映画『ROOKIES-卒業-』主題歌。野球部メンバーたちの最後の夏の大会と、卒業式までを描いた映画のストーリーを反映しているので、現実の学生生活で抱く心情ともシンクロする。爽やかな歌声は、まさしくGRe4N BOYZの真骨頂。寂しさとともに沸き起こる力強い気持ちが伝わってくる。
「YELL」いきものがかり
『第76回NHK全国学校音楽コンクール』中学生の部・課題曲、NHK『みんなのうた』2009年8~9月のうた。年月を重ねる毎に卒業ソングのスタンダードとしての存在感を増している。《サヨナラは悲しい言葉じゃない それぞれの夢へと僕らを繋ぐ YELL》は、各々の道へと進むことになる卒業式の本質を見事に捉えた表現。この曲を噛み締めながら夢を追い求め、未来のどこかで友人たちと再会した際に称え合うことができたら、とても素敵な人生ではないだろうか。
「道」EXILE
2007年2月リリース。穏やかなテンポで展開するメロディが、胸に温かく沁みてくる。“君”との出会いによって成長することができたことへの感謝を描写した歌詞は、幅広い人間関係に当てはめられるが、卒業式の風景を思い浮かべながら聴く人も多いはず。夢や希望を語り合い、互いに励まし合いながら同じ空間を過ごす学生生活は、人生のなかでも本当に特別な時間だ。そんな風景も鮮やかにイメージできるからこそ、この曲は長年にわたって支持され続けているのだと思う。
「旅立ちの日に・・・」川嶋あい
ピアノとストリングスで彩られた歌声が瑞々しく広がる。卒業ソングの定番のひとつとして思い浮かべる人は多いはず。I WiSHの「明日への扉」の原曲が「旅立ちの日に・・・」。川嶋が高校生の頃に路上ライブで歌っていた曲なので、歌詞の描写の一つひとつが学生生活のリアルであふれている。
「手紙 ~拝啓 十五の君へ」アンジェラ・アキ
2008年の『NHK全国学校音楽コンクール 中学校の部』課題曲。様々な合唱曲アレンジが存在する。15歳の自分から未来の自分に宛てた手紙・未来の自分から15歳の自分に宛てた手紙という往復書簡のような構成が秀逸。不安と希望の入り混じった若者の姿を鮮やかに浮き彫りにしている。
「卒業写真」荒井由実
1975年にハイ・ファイ・セットのデビュー曲として提供、翌年に“荒井由実”時代のユーミンがセルフカバー。学生時代の写真を眺めながら青春の日々を思い出し、忘れられない人への気持ちを募らせるのは、世代を問わず、多くの人にとって心当たりのあることなのでは? 郷愁を誘うメロディ、ハーモニーが胸に沁みる。
■卒業ソングを胸に、次なる一歩を踏み出そう
今回紹介した全25曲は、卒業式シーズンはもちろん、今後も人々に長く愛されていくはず。門出の思い出とともに胸に刻み、大切な人の踏み出す一歩を祝福できる曲たちだ。一生大切にできる曲たちと、ぜひ出会ってほしい。
TEXT BY 田中大






















